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2017 Fiscal Year Annual Research Report

新規に同定したE3ユビキチンリガーゼによるインフラマソーム制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17H07055
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

鎌田 諒  自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (60801420)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords循環器 / 免疫学 / 蛋白質 / 動物
Outline of Annual Research Achievements

これまで、新たに同定したE3ユビキチンリガーゼARIH2を欠損・過剰発現したヒトマクロファージTHP-1細胞(レンチウイルスベクターとCRISPR/Cas9システムにより作製)を用いて、NLRP3へのK48およびK63ユビキチン化修飾によりインフラマソーム活性を負に制御していることを見出している。
本研究では、ARIH2のNLRP3インフラマソーム活性化制御機序を解明するとともに、遺伝子改変マウスの作製を行い、ARIH2の病態における役割を検証する。今年度の研究ではARIH2を発現している組織と細胞の探索、発現制御について各種インフラマソーム活性化刺激や炎症刺激により検討し、さらにARIH2遺伝子改変マウスの作製および解析を行った。
ARIH2の発現は精巣、肝臓、脳、脾臓において特に高く、また、様々な細胞株および初代培養細胞を用いて解析した結果、マウスマクロファージ細胞株J774及びRAW264.7、マウス骨髄由来マクロファージ(BMDM)及び樹状細胞(BMDC)、ヒト巨核球細胞株CMK11-5及びMeg01、マウス血管平滑筋細胞MOVAS、ラット大動脈平滑筋A7r5において高く発現していた。
次にARIH2の発現制御を検討するため、J774細胞にLPS、ATPによる各種インフラマソーム活性化刺激や炎症刺激を行ったが、ARIH2の発現に変化は認められなかった。
ARIH2遺伝子改変マウスの作製および解析において、ARIH2のノックアウト(-/-)マウスは胎生致死になることが報告されており、申請者が作製したマウスにおいてもノックアウト(-/-)マウスを得ることができなかった。一方で、ヘテロのノックアウト(+/-)マウスは生存が確認できたため解析に用いた。この解析により、ヘテロのノックアウト(+/-)マウスの骨髄細胞においてNLRP3の発現が上昇していることが分かった。これらの結果から、ARIH2を発現している細胞及び組織を同定し、ARIH2の発現を変動する因子は見出せなかったが、NLRP3の発現に関わっていることを示唆できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究におけるARIH2の解析に必要な細胞や設備等も備え、ARIH2遺伝子改変マウスも来年度に計画している実験に向けて繁殖を続けており、本研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

前年度に引き続き、ARIH2の発現制御とNLRP3インフラマソームにおける活性化制御機序を解明するとともに、ARIH2遺伝子改変マウスを用いて、心血管疾患モデルマウスを作製し、ARIH2の病態における役割の検討を行う。
ARIH2の役割をさらに検証するため、Cre-loxPシステムを利用したARIH2-floxマウスとCre-LyzMおよびR26CreERマウスとの交配により、マクロファージ特異的ARIH2欠損およびタモキシフェン誘導性全身ARIH2欠損(時期特異的)マウスを作製、標的細胞および誘導後のARIH2欠損を確認し、疾患動物モデルを用いて、心血管疾患におけるARIH2の役割を検証する。さらに、ARIH2によるインフラマソーム制御機序の解明だけでなく、ARIH2が相互作用するNLRP3以外の新規分子の同定について解析を行うため、ユビキチンリガーゼの基質を網羅的かつ高感度に探索できる技術であるTR-TUBE(Trypsin Resistant Tandem Ubiquitin-binding Entity)を用いて、免疫細胞におけるARIH2の新規基質探索を行う。ARIH2とFlagタグ付きTR-TUBEを細胞内にトランスフェクションした後、Flagで免疫沈降した検体を処理し2次元電気泳動・質量分析を行う。得られた分子に関して、実際のARIH2との結合・ユビキチン化・下流シグナルへの影響を検証していく。これにより、ARIH2 による新たな機能の解明が期待できる。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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