2017 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院における腰痛対策看護管理実践モデルの洗練と有効性の検討
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17H07070
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
吉武 幸恵 東京情報大学, 看護学部, 講師 (50449063)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 職業性腰痛 / 腰痛対策 / 看護管理実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が先行研究で明らかにした、急性期病院に勤務する、腰痛を発症した看護師の体験46項目(腰痛誘発行動に至る理由8カテゴリー26項目、腰痛に伴う不利益7カテゴリー20項目)を、腰痛発症の予測・予防、腰痛に伴う不利益軽減を目的とした、職場の作業環境調整、人的資源管理の指標として活用できるモデル構築に向けて、項目の洗練を行った。 腰痛を繰り返し発症している看護師3名、病棟看護管理者2名、職場で教育的役割を担う看護管理者2名を対象とした専門家会議を実施し、項目の経験的妥当性を検討した。さらに、質問紙調査の項目としての表現の調整を行った。専門家会議の結果、内容が類似している項目の統合、経験的に妥当ではない項目の削除により、腰痛誘発行動に至る理由24項目、腰痛に伴う不利益19項目となった。さらに、カテゴリー間の関係性について検討し、仮説モデルを作成した。 次に、大サンプルでの調査に先立ち、調査依頼方法の適切性、調査票の見やすさ、表現のわかりやすさ、回答に要する時間の適切性、回収方法の適切性を検証するために、急性期病院に勤務する看護師50名を対象としてプリテストを行った。42名(回収率84%)より回答が得られ、調査依頼方法、回収方法、回答に要する時間が適切であることが確認できた。質問項目の表現がわかりにくいと指摘を受けた3項目について、専門家会議参加者に意見を求めながら表現を修正し、調査票を完成させた。 上記の過程を経て作成した調査票を用いた、全国の急性期病院の看護師を対象とした質問紙調査を行うために、病院情報局HPに掲載されている、各県の急性期病院一覧より、病床数200床以上の病院833施設より、無作為に500施設を抽出し、調査協力を依頼した。返信のあった186施設中、87施設より調査協力への同意が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査項目の洗練の段階で協力を依頼した専門家会議の参加者は、急性期病院にシフト制で勤務している者であり、会議の日程調整に時間を要した。また、プリテストの依頼や、大サンプルでの調査実施時期について、年末年始休暇および年度末の人事異動、新年度の職員研修等を考慮する必要があり、日程調整に時間を要した。そのため、平成29年度は調査票の配布~回収までを計画していたが、調査協力同意の確認までとなり、調査票の配布には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
看護職を対象とした大サンプル調査結果を分析し、項目の洗練および仮説モデルの妥当性の検証を行う。さらに、先行研究で明らかにした、看護管理者の看護管理実践と看護師の体験をマッチングさせた大規模調査を行い、腰痛対策看護管理実践モデルVer. 2の開発を進めていく。
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