2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Development of a Care Guideline for Biliary Atresia Survivors with their Native Liver in Adolescence to Organize Daily Lives
Project/Area Number |
17H07104
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
平塚 克洋 上智大学, 総合人間科学部, 助教 (30802475)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 看護学 / 小児 / 思春期 / 親子 / 胆道閉鎖症 / 肝移植 / ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肝移植を受けず自己肝で生活する思春期・青年期の患者とその親が、療養生活を整えると共に、生体肝移植への準備性を高めていくことを支えるケアガイドラインを開発するため、思春期または青年期の胆道閉鎖症患者と親の生活体験と生体肝移植にかかわる決定のプロセスを質的に分析し、ケアガイドラインの有用性を検証することである。 胆道閉鎖症は、罹患患者の約半数が成人するまでに生体肝移植を必要とし、小児生体肝移植の原因疾患の約75%を占めている。この生体肝移植治療への依存度の高さは、肝移植の適応になっていない時期から、患者とその親の心理的負担となり、療養生活の自己管理の乱れや生体肝移植に向けた心理的準備の不足に繋がる。本研究で開発するケアガイドラインでは、療養生活の自己管理の困難感、親子の関係の再構築を迎える思春期患者の発達段階の特徴、生体肝移植の可能性を受容し準備性を高めることへの患者と親の心理的抵抗感に対して、看護専門職者が持つべき視点と具体的な指針を提示することを目指す。
2017年度は、自己肝にて生活する思春期・青年期の胆道閉鎖症患者と親について、患者自らが療養生活を整えていくプロセスを質的に明らかにし、その成果の一部を日本小児看護学会第27回学術集会で発表した。また、ケアガイドライン作成のために行った、生体移植に関連する認知的な不確かさについて文献検討を行い、Nursing & Care Open Access Journalで発表した。 現在、患者自らが療養生活を整えていくプロセスについて、分析焦点者を、①思春期・青年期患者、②その親、③患者と親の相互作用に設定し、論文を執筆中である。また、論文と併せて、ケアガイドライン案を作成している。 今後は、ケアガイドライン案の洗練と効果検証を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己肝にて生活する思春期・青年期の胆道閉鎖症患者と親について、患者自らが療養生活を整えていくプロセスの質的分析については、調査のための倫理審査に時間を要したが、ほぼ完了している。 ケアガイドライン案の洗練に向けた専門家会議に参加する専門職者の選定にやや時間を要しているが、完成に向けて進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
自己肝にて生活する思春期・青年期の胆道閉鎖症患者と親について、患者自らが療養生活を整えていくプロセスの質的分析の成果を基に、ケアガイドライン案を作成・洗練させていく。 ケアガイドライン案の作成後、胆道閉鎖症と小児生体肝移植患者にかかわる専門職種による専門家会議を開催し、ガイドラインの洗練を行う。 ガイドラインの洗練後に予定している、自己肝で生活する思春期患者とその親を対象としたパイロットスタディによる看護ケアの効果検証については、ガイドラインの内容によっては、限られた研究機関での実施そのものが適切ではない可能性があり、現在、慎重に検討中である。臨床現場での専門職者(小児科医、移植外科医、小児看護専門看護師、移植コーディネーター)からのヒアリングを続け、ケア提供者として協力を得る等の体制づくり後の実施も検討している。
|
Research Products
(2 results)