2017 Fiscal Year Annual Research Report
オミックス解析を基盤とする遺伝子治療用ヘルペスウイルスベクターの合理的設計
Project/Area Number |
17H07146
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
塩澤 裕介 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (60801511)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 単純ヘルペスウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターを用いて治療遺伝子を標的細胞に安全に送達する技術の確立を目指している。HSVベクターの医療実装にあたっては、細胞毒性の低減と治療遺伝子の持続的発現の二つを両立可能なHSVゲノム改変法を明らかにする必要がある。そのため、本年度は以下のとおり研究を進めた。 1)HSVゲノムの遺伝子改変:従来、われわれはHSVゲノムから5つの毒性遺伝子の発現を欠損させることでベクターを無毒化していた。しかし、これらの遺伝子の近傍にはインスレーター領域など、遺伝子発現制御に重要な配列が複数存在する。これらのうち、どれを残し、どれを欠失させるのが最適かは明らかではない。そこで、こうした遺伝子発現制御配列のどれを欠失させるかについて複数のパターンの遺伝子改変を施し、その違いを調べる準備を行った。 2)本研究では、次世代シーケンサーを用いたトランスクリプトームの網羅的解析により、HSVゲノム上で転写活性が保たれるゲノム領域を明らかにすることを目指している。その準備として、本年度は次世代シーケンサーを用いた実験系を確立するとともに、解析環境を整備した。また、in vitroでの検討に用いるラットの脊髄後根神経節の培養系を確立した。 3)様々なHSV株のゲノム解析:HSVにはKOS株やHF株など複数の亜株が存在し、細胞毒性や増殖能に違いがある。こうした違いはゲノム配列の違いに起因すると考えられるが、それを具体的に明らかにすることはベクター開発上も有用である。そこで本年度はKOS株、HF株、vHG株という3つの亜株からウイルスDNAをとり、シーケンスライブラリを調製した。今後はこれらのサンプルのシーケンス解析を行い、塩基配列上の違いを明らかにする予定である。 本研究は、平成30年度より研究種目・若手研究のご支援を賜り、継続させていただくこととなった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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