2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Plants Images and the Foreign Expressions in Kyoto of the 18th century-Focused on the Paintings by Ito Jakuchu-
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17H07148
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
森下 佳菜 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (70802528)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 十八世紀京都画壇 / 異国表象 / 植物イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、①渡辺始興・円山応挙・鶴澤派の「熱帯植物」を描いた絵画作品データベースの作成、②若冲と始興・応挙・鶴澤派における「熱帯植物」絵画作品の比較検討および作品調査、③「熱帯植物」絵画作品の享受者に関する調査および検討、④成果発表・報告を計画、遂行した。 まず、計画①および②については、昨年度作成した伊藤若冲作品のデータベース(昨年度の計画①)に基づきながら作成し、比較検討を行った。結果、渡辺始興・円山応挙については計画通り遂行し、若冲作品との共通性、相違点を見出すことができた。しかしながら、鶴澤派については十分な研究時間を確保することが難しかったため、未完了となった。これに関しては、今後の研究課題として引き続き取り組むこととしたい。このような課題は残ったものの、当該年度においても該当作品を実見する機会に恵まれ、前年度の若冲画を踏まえた比較検討を行うための資料収集および調査を実施することができた。 計画③については、前述の計画①および②を踏まえたうえで、以前より指摘されている渡辺始興、近衛家熈、円山応挙の相関関係に注目し、それらと若冲との関連性や享受者について検討を行った。結果、若冲作品を通じた文化人ネットワークの中に近衛家が見出せること、また「熱帯植物」を含む博物学的関心がうかがえる植物を描いた若冲画の中には公家層の文化人による関与も認められる。このことは、若冲画の享受者として従来あまり注目されていないが、当該年度の比較検討によって、若冲画の新たな側面としての可能性、さらには十八世紀京都画壇の「熱帯植物」を描く意味についても考究することができた。 計画④については、論文投稿のため現在執筆中である。なお、当該年度中には前年度の研究成果をまとめた公刊論文を発表した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)