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2017 Fiscal Year Annual Research Report

18世紀ドイツにおける「思弁的人間学」の勃興と、同時代哲学・倫理学との緊張関係

Research Project

Project/Area Number 17H07162
Research InstitutionMeisei University

Principal Investigator

浜野 喬士  明星大学, 人文学部, 准教授 (20608434)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords哲学 / 倫理学 / 人間学 / カント / プラトナー / フィヒテ / 啓蒙 / ドイツ
Outline of Annual Research Achievements

当初の研究計画に則って、ドイツ・ゲッティンゲンのニーダーザクセン州大学図書館(SUB)にて、18世紀人間学関連の文献を収集した。またバイエルン州立図書館(BSB)、および前述のSUBのOPACからリンクするデジタル資料についても収集した。収集資料を分類すると次のように大別できる。
(1)プラトナー関連一次資料。プラトナー『医者と哲学者のための人間学』(1772年)およびその大規模改訂版である同『医者と哲学者のための新人間学』(1790年)。一連の『哲学的アフォリスメン』(1776年版、1784年版、1790年版、1793年版、1800年版)。およびプラトナーの小品についても収集。一例を挙げれば『外科的所見』(プラトナーが序文を執筆)、『医学的対象論文集』。(2)比較思想的観点から重要なプラトナー関連一次資料。ヒューム著、プラトナー訳『自然宗教論』(プラトナー論考付)。(3)プラトナーのラテン語著作群。(4)プラトナー関連二次文献。主なものとしては、コゼニナ『プラトナーの人間学と哲学』、デ・アンゲリスの人間学研究、レーゲンスプルガーの1800年前後人間学論本。レシュナー『プラトナーとカントの認識論:テーテンスとアエネシデムスに考慮して』、ベルゲマン『エルンスト・プラトナーの道徳哲学とカント倫理学の関係』および『アウフクレールング』誌のプラトナー特集号など。
(5)加えて、18世紀人間学を考えるうえで、さらにはプラトナーやジャン・パウルとの関係でも重要なヴェーツェルの関連文献も収集した。一例としては、ヴェーツェル『プラトナーに関する公平な判定』、『ヴェーツェルによるプラトナー氏への催告』、『エルンスト・プラトナー対ヨハン・カール・ヴェーツェル』等。さらに(6)ヴェーツェル関連二次文献。
H29年度はこれらの資料を収集し、整理、分析作業を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究はおおむね順調に進展している。理由は以下である。
(1)プラトナー関連の一次資料を豊富に収集することができた。これまでは『医者と哲学者のための人間学』と一部の『哲学的アフォリスメン』のみを所有していたが、初期のラテン語著作群、プラトナー自身による翻訳資料群、各種小品集を含め、ほぼ現存しているプラトナーの一次資料を完全に入手することに成功した。
(2)ヴェーツェル関連の一次資料についても整備することができた。これまで当方の関心は、カント、フィヒテ、プラトナーというラインに集中していたが、プラトナーの一次資料、二次文献を精査する過程で、プラトナーとヴェーツェルの対立関係、論争関係、という本研究課題のスタート時点では明確化されていなかった重要課題を発見することができた。こうした問題関心をベースとして、関連する一次文献、二次文献をSUBおよび各種デジタルデータベース、OPACで入手することができた。
(3)18世紀人間学関連の二次文献の整備。これまでは、カント、およびフィヒテの研究という点に近い文献が調査対象の大半を占めていたが、プラトナーおよびヴェーツェルに関する文献の読み込みが進む過程で、広く18世紀ドイツ啓蒙研究への視座が開け、これまで射程に入っていなかった問題系、文献にアクセスすることができたことも収穫である。

Strategy for Future Research Activity

(1)一般研究発表。いずれも秋に予定されている日本カント協会、および日本フィヒテ協会において、カント、プラトナー、ヴェーツェル、フィヒテ等について、18世紀人間学との関係から研究発表を行い、そこで得られた反応、意見等を蓄積、フィードバックする。また研究の進捗状況によっては、カント研究会において、カントとプラトナーに関する研究発表を行い、関係領域の専門家からの意見を乞う。
(2)論文執筆。いずれも査読誌である、『日本カント研究』および『フィヒテ研究』に、関連する論文を投稿する。
(3)研究ノート執筆。明星大学紀要を用いて、まだ研究途上であるものの、一度成果としてまとめておくべきテーマ、端的にはプラトナー・ヴェーツェル論争を整理する。
(4)関連翻訳の準備。『フィロソフィア』誌に、プラトナー『医者と哲学者のための新人間学』序文の邦訳を投稿する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] カントにおける天才概念の体系的位置づけ2018

    • Author(s)
      浜野喬士
    • Journal Title

      現代カント研究

      Volume: 14 Pages: 64-85

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] カントにおける天才概念の体系的位置づけ2017

    • Author(s)
      浜野喬士
    • Organizer
      カント研究会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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