2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of modern Japanese literature's crossover into foreign cultural spheres: Based on the literary activities of Nagai Kafu
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17H07171
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
岸川 俊太郎 南山大学, 人文学部, 准教授 (90802075)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 日本近代文学 / 永井荷風 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、明治期から昭和期にかけて活躍した永井荷風(1879-1959)の文学活動の究明を通して、近代日本の作家が直面した異文化交差をめぐる問題を検討することにある。永井荷風は小説家としてデビューした青年期に、約5年近くアメリカ・フランスに滞在した経験を有し(1903-1908)、帰国後もフランス文学をはじめとする外国文学を弛みなく吸収し続けた。荷風はこうした異文化圏との接触によって培った豊かな文学経験を自身の創作活動に活かした。荷風の外国文学受容の実態を把握するために、昨年度に引き続き本年度も、荷風及び荷風と交友関係のあった文学者の諸資料を所蔵する学術施設にて研究調査を行った。あわせて荷風を中心とする近代文学関係資料の更なる収集にも努めた。 また、荷風の文学的背景を把握する重要な資料として、荷風の日記『断腸亭日乗』に注目した。『断腸亭日乗』は1917年から荷風の死まで約42年間にわたって書き続けられた。『断腸亭日乗』には、荷風が親しんだ外国文学に関する記述が数多く残されており、日記を通して荷風の外国文学受容の実態を把握することができる。こうした点を踏まえ、本年度は『断腸亭日乗』に記された外国文学に関する記述を整理し、具体的な名前が言及されている文学作品について資料調査を行った。一連の研究調査をもとに、荷風の外国文学受容と創作活動との関わりについて考察を深めることで、日本近代文学における異文化圏への越境の問題について新たな知見を得ることができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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