2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Atrocity Prevention Governance in Southeast Asia
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17H07178
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮下 大夢 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 助手 (80802090)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 社会構成主義 / 国際規範 / 東南アジア地域 / ASEAN / 市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、東南アジア諸国連合(ASEAN)、各国政府、市民社会・ 非政府組織(NGO)といった行為主体(アクター)の言説や行動に着目し、東南アジアにおける「残虐行為の予防ガバナンス」の構築について考察することである。 初年度に当たる本年度は本研究で用いる分析枠組みの構築を優先課題とした。コンストラクティヴィズム(社会構成主義)の諸理論、グローバル・ガバナンス、「保護する責任(responsibility to protect)」といった概念を整理し、研究関係者からのアドバイスを得て「残虐行為の予防ガバナンス」の構築を捉える上で必要となる明確な分析枠組みを構築した。 加えて、上記の分析枠組みに基づいて複数の事例研究を実施し、以下の成果をあげることができた。まず、ASEAN加盟国で初めて「保護する責任担当官」を設置したカンボジアに関する事例分析を行った。カンボジアの事例に関する研究成果は、学会報告や学会誌に論文を掲載する形で公開した。次に、東南アジアにおいて未曾有の人道危機を引き起こしているロヒンギャ問題に関する事例分析を行った。外部アクターの対応について分析する上で必要な情報の収集を目的に、当該問題を専門とする研究者および実務家を対象に聞き取り調査を実施した。ロヒンギャの事例については、国内の研究会や国際会議で中間報告を行い、フィードバックを踏まえて研究成果のまとめに取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加を予定していた国際会議が運営側の都合により延期されるなど当初の計画に若干の変更が生じたものの、事例研究に関しては学会報告や学会誌への論文掲載という形で研究成果を公開することができた。研究課題そのものに大きな変更は生じておらず、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる翌年度は本研究の総括を行う。まずは、事例分析を進めてきたロヒンギャ問題についての研究成果を学会報告や論文などの形で公開する。次に、東南アジアにおける残虐行為の予防ガバナンスの構築に関して本研究で明らかになったことを整理する。その上で、国内外の研究関係者との意見交換を踏まえて本研究を仕上げていく予定である。
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Research Products
(5 results)