2017 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Examination of Team Mental Models and Organizational Climate on Team Performance
Project/Area Number |
17H07183
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大沼 沙樹 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (50800918)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | チーム・メンタルモデル / トランザクティブ・メモリー・システム / 組織風土 / チーム成果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、チーム・メンタルモデル(以下TMM)の先行要因の探索およびチーム成果への影響を定量的に実証することを、主要な研究目的としている。本年度ではまず、TMMの先行要因に関する文献や、TMMの測定に関する文献を網羅的にレビューし、仮説モデルの構築および質問紙調査の設計を行った。その中で、TMMの測定には一貫した方法はなく、TMMの概念自体が複雑で、複数の側面を持つ概念であるために、複数の尺度が必要な場合があることがわかった。よって、対象組織や測定したい内容によって質問項目を作成する必要性が出てきた。また、TMMと関連の深いトランザクティブ・メモリー・システム(以下、TMS)の研究とTMMの研究は、双方とも集合的な認知の重要性を示しているが、これらの研究のほとんどは別々に進められてきているという現状があることもわかった。そこで比較概念として、関連概念のTMSで開発された信頼性の高い尺度などを利用し、TMSの先行要因を探る仮説モデルの構築を行った。本年度では、メーカー1社から収集したデータを使用して、TMMの関連概念であるTMSと組織風土に関する実証研究を論文化し、投稿まで至った。関連概念のTMSと組織風土、チームの多様性などの先行要因間の関係が明らかになったことで、TMM研究を進めるうえで、概念上の違いなどを明らかにできるものと推察される。ただし、当初予定していたTMMの測定が本年度中に実施できなかったため、次年度ではTMMの測定方法を再度検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には、予定していた企業2社で質問紙調査を実施し、データを収集することができた。先に入手できたA社のデータを使用して、TMMの関連概念であるTMSと組織風土に関する実証研究を論文化した。関連概念のTMSと組織風土、チームの多様性などの先行要因間の関係が明らかになったことで、TMM研究を進めるうえで、概念上の違いなどを明らかにできるものと推察される。また、B社についても308人という多くのサンプルを収集できた。しかしながら、チームレベルでみるとかなり少ないサンプルサイズでしか収集できていない。くわえて、本年度ではTMMの先行要因やTMMの測定に関する文献のレビューは進んだものの、実際の測定までには至らなかった。そのため、追加的に質問票調査を実施し分析を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたTMMの測定が平成29年度中に実施できなかったため、本年度ではTMMの測定方法を再度検討する必要がある。TMMの測定は、一貫した方法がなく、企業で働く従業員に対して行える質問項目もあまり多くない。そのため、対象組織によって質問項目を作成し、尺度を構成する必要も出てきた。よって、TMMの測定方法を再度検討し、新たに質問紙調査を実施できる組織を探し、分析を行えるようにする。 関連概念のTMSとの概念的な相違やチームに及ぼす影響の違いについてもレビューを進め、可能であればどちらの概念も仮説モデルに組み入れ、定量的に実証したいと考えている。
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