2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Changing of Name for School Military Drill in the Later Meiji Period
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17H07185
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
奥野 武志 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 講師(任期付) (50802047)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 教練 / 兵式体操 / 兵式教練 / 学校教練 / 体操遊戯取調報告 / 学校体操教授要目 / 森有礼 / 永井道明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「教練」に先立つ「兵式体操」が教育関係者や一般国民からどのような評価を受けており、その評価が学校教練の呼称変更に与えた影響についての解明を目指した。そして、その成果を2018年8月31日に宮城教育大学で行われた日本教育学会第77回大会で口頭発表した。その内容の概要は以下の4点にまとめられる。 ①1886年に文部大臣森有礼によって諸学校に導入された「兵式体操」に関しては、寄宿舎による「兵営化」が徹底して行われた師範学校だけでなく、小学校等においても「兵式」が学校教育にそのまま持ち込まれることに対する批判は根強く存在し、それは日露戦争を経ても変わらず、学校教練の呼称変更の背景に存在していた。②以上のような「兵式」に対する批判を背景に、1901年に中等教育機関体操科教員の無試験検定から陸軍出身者が除外されており、文部陸軍両省会議につながる1906年10月の陸軍大臣から文部大臣への照会は、陸軍出身者への無試験検定復活を求めることが主眼であった。③陸軍大臣から文部大臣への照会を機に設けられた文部陸軍両省会議の主眼は陸軍出身者への無試験検定復活の是非であり、それを認めない文部省側の見解を陸軍側が受け入れた背景にはやはり学校教育に「兵式」をそのまま持ち込むことに対する批判が存在した。。④1913年1月制定の「学校体操教授要目」における「教練」の特徴は、一定年齢以上の男性のみを対象としていた「兵式体操」とは異なり、性別を問わず小学校入学時から段階を踏んで履修していくことにある。要目制定の中心人物であった永井道明は、「社会の規律」を身に付けさせることを「教練」の目的としており、軍隊の「形式」にとらわれないために学校教練の呼称から「兵式」が外されたのである。 以上のように、明治後期における学校教練の呼称変更に関して本研究は新たな知見を提示したのである。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)