2017 Fiscal Year Annual Research Report
ボーン・グローバルズによる起業家的海外進出の研究;マネジャーの個人的認識の解明
Project/Area Number |
17H07196
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
灘山 直人 神奈川大学, 経済学部, 助教 (30803936)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | ボーングローバルズ / プラットフォームビジネス / モバイルゲーム / 海外進出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではボーン・グローバルズと呼ばれる新興企業に焦点を当て、この起業家的な海外進出につきマネジャーの個人的認識の側面から分析を行うものである。特にボーングローバルズの成功例を多く輩出しているフィンランドのモバイルゲーム産業をケースとして取り上げて研究を行っている。
平成29年度には先行研究のレビューを行った上で、データ収集としてインタビュー調査を行った。その準備として、共同研究者と打ち合わせを重ねてインタビューの内容や手順の詳細を明確化し、ケーススタディ・プロトコルおよびインタビュー・シートを作成した。これに基づき、フィンランドのモバイルゲーム企業4社を訪問し、各企業のマネジャー達に対してインタビュー調査を行った。同時に、フィンランドのモバイルゲーム産業につき知見を深めるべく、フィンランドの業界団体を訪問して情報収集を行った。また、平成29年度にはこれら収集したデータにつき分析を開始した。具体的にはインタビューの録音データを聞きTranscriptを作成した。そしてNvivo11というソフトウェアを活用してデータのコーディング作業を実施した。
上述したデータ収集および分析の過程で、ケースとして取り上げているモバイルゲーム企業の海外進出が「デジタルプラットフォーム・ビジネス」というコンテキストに強く影響を受けていることを認識した。これは業戦略論などを中心に昨今学術的な議論が行われている研究テーマである。従って、本研究につき、これからさらにデータ収集や分析を進めて学術論文を執筆するにあたり、この「デジタルプラットフォーム・ビジネス」というコンテキストに特に焦点を当てていくことで、学術的な貢献を強めていくことができると考えるに到った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、平成29年度にモバイルゲーム企業の海外進出につきデータ収集・分析する過程で、本研究をよりフォーカスされた内容にするために「デジタルプラットフォーム・ビジネスを利用した海外展開」というコンテキスト新たに加えていくことに到った。(このように収集したデータを分析するなかで、意義のあるコンテキストを新たに探求していくことは、Inductive or adbuctive research approachでは頻繁に起こる。)
従って、平成30年度の研究においては、この新たに発見されたコンテキストにつき今後先行研究の調査を行い、ケーススタディ・プロトコルを再考してみる必要がある。このようなプロセスは研究設計当初には想定していなかったため、結果として本研究の進捗状況についてやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、「デジタルプラットフォーム・ビジネスの海外展開」というコンテキストにつき追加で先行研究のレビューを行う必要がある。次に、既に収集したフィンランドのモバイルゲーム企業のデータを読み解きながら、上記先行研究に照らして考察を加えていく。
さらに同様のモバイルゲーム産業の海外進出につき、フィンランドのモバイルゲーム企業より追加でデータ収集を行っていく。また必要であればフィンランド以外の国のモバイルゲーム企業からもデータ収集を実施していく。そしてデータ収集次第、順次分析作業を行っていく。
そして、最終的に学術論文を執筆していく。
|