2017 Fiscal Year Annual Research Report
地域生活する男女の壮年期中途身体障害者の生活適応モデルの構築
Project/Area Number |
17H07202
|
Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
西野 由希子 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻, 助教 (90608655)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 生活適応 / 中途障害 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には壮年期に脳卒中となった対象者へのインタビュー調査を行った。研究者の想定よりも豊富で長時間に及んで情報提供をして下さる方が多かったため、当初予定(男女それぞれ20名ずつ)よりも少ない人数(男性16名女性14名)で調査を終了した。現在は、インタビュー内容を逐語化し分析を進めている段階である。今後、分析を進めていき、不足するデータがあれば再調査する予定である。 就労に関する内容を期待していたが、想定よりも多くのことを聞くことができなかった。特に女性は仕事に関わっていない人が圧倒的に多かった。分析の前段階での印象としては、仕事ができることそのものよりも、人との関わりや、ありのままの自分でいられる場を求めている人が多いように思われた。特に、注目されるのが脳卒中者同士で集まるピアカウンセリングの場であった。 また、ほとんどの研究参加者が、脳卒中に関わる情報をスマートフォンのインターネットで収集していた。中には入院中から情報を検索している人もいた。その中で最も参考にされていたのは、脳卒中経験者のブログであった。そこで最新の治療方法を探し出したり、同じ脳卒中者同士連絡を取り合っていた。回復期リハビリテーション病棟退院後に、専門的なリハビリテーションを受療する機会がなくなることに不満を述べる人も多くいた。多くの参加者たちが、自分たちの努力で治療の場を探しだしたり、自分たちで工夫して生活し、機能的にも能力的にも驚くほどの回復を見せていた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた対象者の人数は男女それぞれ20名としていたが、現状は男性16名、女性14名である。しかし、協力的な研究参加者が多く、予定よりも長時間で豊富な内容のインタビューがおこなえたため、分析にもデータは十分であると考える。現在、すでに男女のインタビュー内容の分析は進めている段階である。今後、さらに分析をすすめ、不足することがあれば再度インタビュー調査を行う予定ではあるが、おおむね当初の予定通り進んでいる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画の予定通り、インタビュー内容の分析を進めていく予定である。必要に応じて、不足するデータは再収集する。詳細は以下のとおりである。 4~6月【研究1.地域生活する男性の壮年期中と身体障害者の生活適応モデルの構築】データは壮年期に脳卒中を発症し身体障害者となった地域生活している男性中途身体障害者(16名分)のインタビューを逐語化したもので、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて質的に分析する。 6~8月【研究2.地域生活する女性の壮年期中と身体障害者の生活適応モデルの構築】データは壮年期に脳卒中を発症し身体障害者となった地域生活している女性中途身体障害者(14名分)のインタビューを逐語化したもので、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて質的に分析する。 9~12月【研究1.地域生活する男女の壮年期中と身体障害者の生活適応モデルの統合】データは研究1,2で参加した地域生活している壮年期中途身体障害者(30名)のインタビューを逐語化したものを用い、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて質的に分析する。
|