2018 Fiscal Year Annual Research Report
Consideration of significance of children's expression activities -Based on children's activities in Eastern Europe-
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17H07209
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
南雲 まき 金沢学院大学, 文学部, 講師 (40806626)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 美術教育 / 東欧 / 第二次世界大戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度については、チェコ共和国での調査を1回行い、チェコ共和国での第二次世界大戦中の子どもたちの生活についての調査を行った。なかでもユダヤ人の子どもたちの生活については、チェコ共和国のテレジンという都市にあるテレジン収容所で詳細な調査を行うことができた。 テレジン収容所では、飢えや暴力で多くの死者が出るような過酷な環境のなかで、収容されたユダヤ人による収容所内での子どもたちへの教育が行われており、そのなかで絵画が多く描かれ、現在まで残されているということがわかった。それらの作品はテレジン収容所の記念館と、プラハのユダヤ人博物館のひとつであるピンカスシナゴーグに保管されており、それらの作品についての調査も行うことができた。 また、それらの作品には作者の名前も記されており、名前を奪われても、教育と表現によりユダヤ人であることや、子ども一人一人の出自についてアイデンティティを失わないように指導されていたことも調査のなかでわかった。 これらの調査の結果は今年度の大学美術教育学会や、日本学校教育学会等の大会で口頭発表を行う予定である。研究協力を頂いた現地の方々や、国内の研究協力者からも、収集した絵画や資料についての分析、考察の文章を頂いているため、これらは報告書にまとめる予定である。また、学会論文、研究紀要等でも発表予定である。 第二次世界大戦下の子どもたちの生活と、そこで描かれた絵画について研究を進めるなかで、表現が過酷な状況に置かれた子どもにどのよう影響や力を与えるかについて考察を行うことができた。これは、現代の日本社会における貧困家庭や、虐待を受けている子どもが表現によってどのような力を得られるかという研究につなげられると考える。今後、本科研費での研究を基礎として、過酷な状況に置かれた子どもの自己回復と表現についての研究を引き続き発展させていくこととする。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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