2017 Fiscal Year Annual Research Report
中胚葉由来の骨髄間葉系細胞は神経堤由来間葉による歯と歯周組織の修復に働くか?
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17H07211
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
松田 紗衣佳 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90802794)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 歯根膜の修復 / 間葉系幹細胞 / 歯根膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜ポリープについて古くから実験病理学的な研究は為されており、その病理組織学的な消長や処置に関する研究は数多くある。しかし、その細胞供給がどこから行われているかは明確にされていない。そこで、GFPマウスの骨髄移植の実験系を用いてこの部の細胞が骨髄の間葉細胞に由来するとの仮説のもと、歯根膜ポリープを形成する肉芽組織の構成細胞の動態を追究した。 GFPの免疫染色では、当該部の肉芽組織内にGFP陽性細胞が多数みられた。その細胞種の同定を行うための、免疫蛍光二重染色では、GFP、Runx2、S-100A4の組み合わせにおいて、紡錘形の細胞にGFPとRunx2が両陽性であった。GFPとCD31では、形態学的に明瞭な血管において、両者に陽性を示すと考えられる血管内皮細胞が認められた。 Notch1の免疫染色については髄床底穿孔部の歯根膜ポリープの構成細胞に強く陽性を示した。対照として侵襲を加えていない第二臼歯の歯髄では陰性であった。また、第二臼歯の歯根膜組織は弱陽性であった。 今回行った実験から、髄床底穿孔部にできた歯根膜ポリープは、毛細血管内皮細胞や、線維芽細胞、歯根膜線維芽細胞が増殖本態であり、いずれも移植骨髄由来の細胞であることが強く推察された。また、Notch1の結果から、髄床底穿孔部の歯根膜ポリープで陽性を示したことから、歯根膜ポリープの増殖において、未分化間葉細胞が歯根膜線維芽細胞に分化する際に関与していることが分かった。 発生学的に歯根膜線維芽細胞は、神経堤由来の神経外胚葉性間葉である。一方、骨髄細胞は中胚葉の間葉であることから、一旦分化が完了した後に引き起こる細胞の分化増殖に、初期発生時と異なる事象が起こっており、この細胞分化の際にNotchシグナルが強く関与し、発生学的に神経外胚葉に由来する組織に分化し。その際にNotchシグナルが関与している事が示された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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[Book] Chapter 9. Injury and recovery of the periodontal ligament: From a view point of developmental biology. Advances in Medicine and Biology, Vol 111.2017
Author(s)
Kawakami T, Tsujigiwa H, Takaya T, Kaneko K, Mimura H, Matsuda S, Muraoka R, Tomida M, Okafuji N, Fujii T, Nakano K and Nagatsuka H.
Total Pages
47
Publisher
Nova Biomedical Publisher
ISBN
978-1-53610-513-1