2018 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological foundation of human large social networks
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17H07229
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
平島 太郎 愛知淑徳大学, 心理学部, 講師 (50803110)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的ネットワーク / コミュニティ / 社会的認知 / 心の理論 / アンサンブル認知 / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会的ネットワークの心理基盤を明らかにすることであった。心の理論に代表される「対個人」の社会的認知機能を基盤とし、多数の2者関係の構築により大規模な社会的ネットワークが形成されるとする先行研究の理論的想定は、実証的には支持されていない。本研究では、複数他者の情報を同時に処理する「対集団」の社会的認知を基盤とし、複数のコミュニティへの所属によって、個人の社会的ネットワークが拡がるというモデルに関する基礎的な検討を行うことを目的とした。平成30年度は、以下の3点について研究を進行した。(1)2018年度に開発した社会的認知機能の個人差に関する測定課題について、幅広い年代のサンプルを対象としたウェブ調査を実施し、その妥当性を検討した。また、測定課題の開発について、日本社会心理学会の年次大会で報告した。(2)2018年度に作成した社会的ネットワークの測定ツールを用い、大学生に対して調査を実施し、個人を取り巻く社会的ネットワークの構造を検討した。(3)「対集団」の社会的認知機能を測定する課題として、gaze-cueingの課題を応用する課題を考案し、社会的ネットワークの指標との関連を検討した。以上の研究より、個人は1対1の対人関係を結ぶことで大きな社会的ネットワークを構成しているわけではなく、構造化され複数のコミュニティから構成されるネットワークを形成していたこと、また、その構造化の程度には個人差があることが明らかとなった。また、社会的認知機能は、他者に関する情報を受動的に受け取り処理する点で、大規模なネットワークの基盤としては直接的には機能していないことが示唆された。今後は、社会的ネットワークの指標について精緻化し、さらに、外向性といった能動的なネットワーキングを駆動する要因を考慮したうえで、社会的ネットワークの心理基盤について詳細な分析を行う予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)