2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of "beauty" evaluation system from the viewpoint of acting components in rhythmic gymnastics
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17H07233
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
橋元 真央 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (80804153)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 感性工学 / 印象評価 / 新体操 / 難度 / ダンスステップコンビネーション / 技術性 / 芸術性 / 美しさ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度実施した研究では,新体操の演技傾向を明らかにし,演技の基礎的資料を得ることを目的とした. 1)第66回全日本新体操選手権大会の女子個人競技に出場した27名(シニア選手22名,ジュニア選手5名)のフープ,ボール,クラブおよびリボンの4種目の演技を調査対象とした.各演技の「身体の難度」の実施個数および実施時間,ならびに1難度あたりの所要時間を求めた.また,身体難度の種類別の実施時間を求めた.得られた値を用いて,演技構成の時間的観点評価指標についての信頼性および妥当性が検討された.また,各種目における身体難度の各指標とD点との相関が算出された.その際,採点規則の「難度一覧」に基づき,1難度の実施に要する準備局面から終末局面を身体の難度実施時間と定義した. 種目と種類を被験者内因子とする2要因分散をおこなった.実施個数について有意な交互作用がみられた.1難度あたり時間について,有意な交互作用はみられず,種目および種類に有意な主効果がみられた.実施時間について,有意な交互作用がみられた(All p<.01). 2)2013年全日本新体操選手権大会(27名),2013年世界選手権(10名),2014年世界選手権(12名),2016年オリンピック大会(10名)の女子個人競技,4種目の演技を調査対象とした.各演技の,身体難度の実施個数および実施時間,ならびに1難度の所要時間を求めた.また,身体難度のグループ別の実施時間を求めた.大会を被験者間因子,種目を被験者内因子とする2要因分散分析をおこなった.難度実施時間および1難度あたり時間について,2013日本選手権と2013世界大会の間に有意な交互作用がみられた.2013・2014・2016世界大会の3年間では,有意な交互作用はみられず,種目に有意な主効果がみられた(All p<.05).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新体操個人演技の約90秒の演技時間に占める身体難度実施時間について比較検討を進めているところであった. しかしながら2017年度後半,データ分析以前に,採点規則の年度途中における想定していた範囲外の改訂が発表され,本研究において重要な演技構成要素の時間的評価に関わる身体難度の実施上限個数の撤廃が明らかになったため,分析観点の見直しが必要となり、研究計画の変更を余儀なくされた.
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Strategy for Future Research Activity |
演技構成要素の時間的評価に関わる身体難度の実施上限個数が撤廃されたことにより,将来的な新体操の動向を鑑み,身体難度の実施状況を総合的な時間的評価の観点における分析対象とすること,及びその分析手法を再検討していく必要がある. また,演技構成要素の内容としてダンスステップコンビネーションを評価の対象とし,1シークエンスに含まれる動作の多様性や表現性をもとに,「美しさ」を評価する.その際,評価者の属性による印象評価の比較や,音楽使用の有無による評価の差異について分析検討を進めることとする.
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