2017 Fiscal Year Annual Research Report
現代国際私法における当事者自治研究―「原則」としての正当化
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17H07237
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小池 未来 富山大学, 経済学部, 特命講師 (60802270)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 国際私法 / 当事者自治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国国際私法上、当事者自治が原則であるとの仮定の正当性を明らかにするものである。平成29年度は、我が国国際私法上、当事者自治を原則として位置づけるために、ドイツ学説とフランス学説を中心に詳細な分析をおこない、それぞれの学説の考え方・正当化根拠・批判を明らかにすることに取り組んだ。 まず、①(a)欧州人権条約及びEU基本権憲章並びにドイツ基本法上の権利を当事者自治原則の根拠とするドイツ学説について、これをその学説の正当性の観点から分析し、それとともに、(b)当事者自治と同様の機能を有する別の方法論について活発に議論があるフランス学説において、当該方法論の要件効果と並んで、当事者自治がどのように評価・批判されているかについて分析した。そして、当事者自治が原則であるとの前提のもと、②当事者自治が否定ないし制限されうるか、また、③当事者自治の例外として最密接関連地法へ客観的に連結することが正当であるかを検討した。 当事者自治が原則であるとの前提のもとでも、当事者自治が否定ないし制限される領域はいくつも存在しうるのであり、この点においては、実質法上の当該領域の捉えられ方が国際私法においても反映されている。国によって異なり内容が多岐にわたる実質法の捉えられ方をいかに国際私法に反映するかが重要である。平成29年度の研究においては、我が国国際私法における当事者自治原則を考察するにあたっての基礎部分を整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な資料・文献を収集のうえ、分析・検討を順調に進行している。上で挙げた研究内容については、一部分析・検討を完了していない点もあるが、当初の予定通りであり、平成30年度も分析・検討を続ける。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、研究実績の概要に掲げた点について引き続き分析・検討し、その結果をもとに、我が国国際私法の視点から当事者自治を原則として正当化することについて考察する。この考察にあたっては、我が国実質法(民法及び関係諸法)を分析することによって、正当化根拠を明らかにする。 以上の研究成果について、研究会ないし学会における報告及び論文による公表を予定している。
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