2017 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア帝政期南東コーカサスにおける法制度と裁判機構
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17H07259
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
塩野崎 信也 龍谷大学, 文学部, 講師 (70801421)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 東洋史 |
Outline of Annual Research Achievements |
採択が決定して以降、まずはロシア帝政期南東コーカサスにおける結婚と離婚に関する法制度と法運用についての研究を行った。これは、既に所有していた史料のみで行いうるものであり、以前から進めていた研究でもある。その成果は、11月3日に京都大学において開催された東洋史研究会大会において、口頭で発表した。発表題目は、「ロシア帝政期南東コーカサスにおける結婚と離婚」である。 次に、2月14日から3月18日にかけて、ジョージアとロシア連邦における資料調査を行った。まず、ジョージアの首都トビリシの中央文書館において、10日間の予備的な調査を行った。その結果、ジョージアにおける史料の保管数は、当初の想定よりもかなり少ないことが判明した。おそらく、南東コーカサスに関連する史料の多くが、いずれかの時点でアゼルバイジャン共和国に移管されたためと思われる。その中で、19世紀の法制度に関する3点の重要な文書史料を閲覧し、その複写を入手した。 その後、ロシア連邦のサンクトペテルブルク市とモスクワ市において、それぞれ10日間の資料調査を行った。サンクトペテルブルクでは、主にロシア国立歴史文書館を利用し、ロシア帝国による南東コーカサス統治に関する文書史料を数多く閲覧し、計62点のデジタルデータを入手した。モスクワではロシア公共歴史図書館を主に利用し、20世紀初頭に出版された刊行史料を閲覧、必要箇所のデジタルデータを入手した。 また、いずれの都市においても多くの新刊書店、古書店をめぐり、研究テーマに関連する多くの書籍を入手した。 帰国後は、入手した文書史料の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画は、ほぼ全て遂行することができた。唯一、近代中央ユーラシア比較法制度史研究会への参加が果たされなかったが、これは諸事情により研究会自体が開催されなかったためである。 文書史料に関しては、事前に予定していた重要史料は全て閲覧・入手したほか、当初の予定よりも数多くの史料にアクセスすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
おおよそ当初の予定通りに研究を進めていく。 まず、8月から9月にかけて、アゼルバイジャン共和国、ジョージア、トルコ共和国における資料調査を行う。アゼルバイジャン共和国においては、バクー市の国立文書館、科学アカデミー附属写本研究所における資料収集を行う。ジョージアにおいては、前年度の予備調査の結果、関連資料が想定よりも多くないことが判明したので、短期間の調査となる。具体的には、トビリシ市の中央文書館において、ロシア帝国カフカース総督府関連の文書史料を収集することとなる。トルコ共和国においては、イスタンブル市の書店における刊行史料、研究書の収集を主に行うこととなる。同様の書店における資料収集は、バクー市とトビリシ市においても行う。 研究成果は、年度中のいずれかの学会・研究会において口頭での発表を行う。現在のところ、日本中央アジア学界での発表を予定している。昨年度に東洋史研究会大会で発表した研究成果に関しては、論文の形にまとめ直し、『東洋史研究』誌に投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)