2017 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への人生の最終段階における医療に関する家族介護者の意思決定の実態
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17H07280
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
眞浦 有希 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (40803135)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 終末期医療 / 高齢者 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化の進展に伴い介護や看取りが社会における共通課題として認識されるなか、人生の最終段階における医療にも多くの関心が向けられている。その選択の多くは高齢者本人ではなく家族介護者による代理意思決定であるという現状から、家族介護者への意思決定支援体制の構築や教育プログラムの開発が課題として挙げられる。高齢者への人生の最終段階における医療については、とりわけ「延命」の観点から、これまで臨床倫理・生命倫理学の立場から研究が重ねられてきた。また、人生の最終段階における医療に関する様々な意識調査などから、多くの人々が侵襲的医療や延命医療を望まないという結果が明らかとなっている。しかし、ACP等による事前の意思表明などが浸透していない日本において、家族介護者が代理意思決定を担わざるを得ない実態にあるものの、家族介護者の経験に焦点化し、その実態を明らかにする研究の蓄積は十分とは言えない。本研究は高齢者への人生の最終段階における医療に関する家族介護者の意思決定の実態を明らかにし、高齢者の看取りに備える家族介護者への教育プログラムの開発に向けた基礎資料とすることを目的としている。 先行調査で実施した家族介護者へのインタビュー調査より、少人数ではあるものの高齢者への延命に関わる医療の「差し控え」を望み、医療従事者(病院や施設)へその意思表示を行った家族介護者の経験が明らかになった。その結果から「意思決定の実態」という本研究課題において、とりわけ先行研究の少ない「延命に関わる医療の差し控え、中止・不開始」という家族介護者の代理意思決定の経験に焦点化することの重要性が考えられた。 本年度は先行調査結果の再分析と発表準備を行うと共に、焦点化したテーマにおける文献検討やインタビューガイドの精錬、研究協力者の選定・依頼方法(広告・チラシ等の作成)の再検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は先行調査結果の再分析からテーマの焦点化、インタビューガイドの精錬、調査協力者の選定と依頼方法の再検討を行ったため、当初計画していた家族介護者へのインタビュー調査は次年度に延期することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前期中は家族介護者へのインタビュー調査によるデータ収集・分析を行い、後期より分析結果の発表のための準備へと移行する予定である。
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