2017 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護事業所の営業時間外における緊急対応予防策に対する研究
Project/Area Number |
17H07284
|
Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
中野 康子 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (40453154)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 訪問看護 / 緊急対応予防策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、卓越した訪問看護師が利用者の健康状態を悪化させず、営業時間外の緊急対応の予防をどのように行っているのかを面接調査し、得られた資料を分析し、小冊子にまとめ、訪問看護事業の効果的な実践に寄与することである。 2017年度の計画は、認定および専門看護師10名に対して、訪問看護事業所の営業時間外における緊急対応(訪問)予防策について経験事例を基にした面接調査を行なうことであった。 計画に沿って面接調査を行なった結果、緊急連絡22事例の資料を得た。緊急訪問に至った事例は15例、訪問に至らなかった事例は7例であった。緊急訪問に至った15事例では「医療処置の実施」(6例)、「状態の観察と対応」(5例)、「症状対応」(2例)、「その他」(2例)が必要であった。訪問に至らなかった7事例では「状態の確認と判断」(6例)「薬の確認」(1例)を行ない、家族介護者に説明して納得を得られていた。 訪問に至らなかった理由は利用者の状態に変化がみられたものの、家族介護者の情報では、推測される状態の変化から逸脱していないと判断される場合や、転倒していても重度な外傷がないと判断される場合であり、家族介護者が看護師の説明を理解し納得した場合であった。その背景には、緊急連絡前の訪問時に看護師が家族に状態の変化やその推移について具体的に観察の方法や対応を説明していた。さらに看護師は高齢者やがん療養者におけるターミナル期の変化の推移および、利用者にとって初めての治療法開始によって生ずる変化について、持っている知識から推測し予測的な対応を行なっていた。 以上のように、2017年度の計画はほぼ計画通りに進行している。2018年度は緊急訪問に至った15事例について、訪問を予防できなかった理由を中心に分析し、その予防可能性についても検討し、小冊子の内容に盛り込んで充実を図り、有用性について検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、2017年度(当初)の計画通りに進行している。 2018年度はすでに緊急訪問に至らなかった7例について、訪問を予防できた理由を分析しているが、加えて、緊急訪問に至った15例について、訪問を予防できなかった理由を中心に分析し、その予防可能性についても検討する。そして、小冊子の内容に盛り込み小冊子の充実を図り、小冊子の有用性について検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度では、緊急訪問を予防できなかった理由を中心に分析し、その予防可能性について検討する。そして、「訪問看護における緊急対応(訪問)予防策」の小冊子にその内容を盛り込み、作製する。 次に、その有用性を検討するため、(1)有識者、研究協力者による検討会を開催し、討議を行う。(2)営業時間外(夜間、早朝、休日・祝日)営業を届け出ている事業所に対し、質問紙調査を行う。そして、収集されたデータの分析を行い考察する。
|