2017 Fiscal Year Annual Research Report
大規模広域資料に基づく方言の発生・伝播・定着過程解明の理論構築および研究技法開発
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17H07293
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
峪口 有香子 四国大学, 社会連携推進課, 期限付職員 (10803629)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 方言分布 / 経年変化 / 追跡調査 / 空間分析 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度の実施内容は大きく分けて,『瀬戸内海言語図巻』のデータ整備(GIS化)と追跡調査のデータの少ない地域における面接調査の2点である. 1)『瀬戸内海言語図巻』のGIS化については,研究発表を行う項目から随時GIS化を行っている.ただし,言語地図1枚をGIS化するのに相当な時間を有するため,少しずつしか進展していないのが現状である. 2)2011年から4年間,瀬戸内海域の市町村教育委員会,公民館,漁業協同組合等の協力を得,通信調査法によって送付した調査票を瀬戸内海各地の1930地点の高齢者の方々からすでに返送して頂き,1389地点のデータはGIS用に整備済みである. 本年は,まだ点検できていない541地点のデータを整備し,データの少ない地域においては,実際に現地へ赴き,対面による面接調査を行った.訪れた箇所は,山口県周防大島,和歌山県雑賀崎,兵庫県洲本市,香川県高松市で,音声・文法・語彙・表現について調査ができた. 研究成果として,The 4th International Conference on Asian Geolinguistics (ICAG-4)にて「Distribution and diffusion of the dialect in the Seto Inland Sea」,IXth CONGRESS OF THE INTERNATIONAL SOCIETY FOR DIALECTOLOGY AND GEOLINGUISTICSにて「On the Advantage of Language Spread by Sea route in the Seto Inland Sea region」と題し発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言語地図のGIS化が,遅れている.理由としては,①GIS化開始が10月以降となったこと,②調査後のデータ入力等の作業に時間を有したことなどがある.翌年度では,十分に時間をとり,GIS化か進められると考えている.また,引き続きデータの少ない地域には,現地に赴き面接調査を行っていく.
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Strategy for Future Research Activity |
調査を開始した地域では,継続してデータを取得するとともに,電子データ化を進めていく. 分析にあたっては,分布データを正確に扱うことのできるGISを活用し,利用のための情報交換を活性化させる.
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Remarks |
峪口 有香子,瀬戸内海東部域の言語変容-淡路島および小豆島方言を中心に-,基盤研究(B)「『瀬戸内海言語図巻』の追跡調査による音声言語地図の作成と言語変容の研究」の中間発表会,2018年
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Research Products
(4 results)