2017 Fiscal Year Annual Research Report
The influence of Kropotkin's philosophy(was translated by Japanese) on Korean proletarian literature
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17H07294
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
李 ミンヨン 松山大学, 経済学部, 講師 (70807437)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | クロポトキン / 大杉栄 / アナキズム / 思想史 / 比較文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究では、日本と植民地朝鮮で出版されたクロポトキン関係文献を調査し、整理することだった。この作業をもとに、1920年代の植民地朝鮮の社会主義系列の作家の作品でクロポトキンの思想が流入したことを証明しようとした。 日本国内での翻訳・出版されたクロポトキン関係資料のうち、福井準造の『近世社會主義』(有斐閣、1899)、煙山専太郎の『近世無政府主義』(東京專門學校、1902)、西川光太郞の相互扶助に関する複数の文(『平民新聞』、1902)、久津見蕨村の『無政府主義』(平民書房1906)、山川均が編訳した『動物界の道徳』(有楽社、1908)、赤羽一が編訳の社会相互扶助に関する文(『東京社會新聞』、1908)に至るまで、非常に多かった。しかし、1920年代にクロポトキンの翻訳作業を集大成した思想家は大杉栄ある。大杉栄はクロポトキンの『相互扶助論』を完訳し、日本で最初にクロポトキンの研究書である『クロポトキン研究』(アルス、1920)を出版した。 朝鮮のクロポトキン収容の歴史は1920年代に始まった。重要な点はクロポトキンの思想が朝鮮に流入され決定的な役割をした人がまさに大杉栄だった。1920年代の朝鮮で翻訳されたクロポトキン資料を整理すると、次の通りである。金明鎭が翻訳した「靑年に告する」(『東亞日報』、1920)、尹滋英が翻訳した「相互扶助論研究」(『我聲』、1921)、無我生が翻訳した「靑年に訴する」(『共濟』、1921)、李星泰が翻訳した「靑年に訴する」(『新生活』、1922)、谷泉が翻訳した「先驗者の訴え」(『東亜日報』、1925)が代表的である。重要なことは、この文がすべて大杉栄の翻訳書をもとにしていたのだ。1920年代の朝鮮で紹介され始めたクロポトキンの思想は大杉栄の翻訳をもとに紹介されて収容され始めたのだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は順調に進んでいる。ただし、基礎研究の内容が多すぎて、予想よりも作業の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に行われた研究の基礎作業の量がとても膨大である。したがって、個々の作家と作品の分析を通じて、本研究の仮説を証明するためには、研究の時間が必要である。したがって、個々の作家と作品の分析を通じて、仮説を証明することは平成30年度の計画に変更する。また、本研究の成果を、セミナーや学術大会などで発表することも平成30年度に変更する。
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