2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H07297
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
濱川 和洋 九州産業大学, 伝統みらい研究センター, 助教 (50802518)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 工学 / デザイン学 / 3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、耐圧性および材料排出力を向上させた3Dプリンタを設計・製作し、磁土ペーストの乾燥実験や粘度計測を行うことで、より複雑な形状を造形するために必要な条件を明らかにすることを目的としている。当初の計画では、平成29年度は(1)耐圧性および磁土ペースト排出力を向上させた3Dプリンタの設計・製作(2)テストプリント(3)磁土ペーストの乾燥実験(4)磁土ペーストの粘度計測を行う予定であったが、現在3Dプリンタを設計している段階であり、プラスチック部品をモデリングしている状況にある。平成29年度は、3Dプリンタの設計とパーツの収集、ペースト材料の基礎的な情報収集を中心に行った。具体的な内容については以下に示す。 ①3Dプリンタを設計する中で、磁土ペーストを貯蔵する部位をノズル部に設置するにあたり、アルミフレームやカーボンロッドの剛性を高める必要が考えられたため、やや大型のデルタ型3Dプリンタのキットを購入し、組立てを通じてパーツ類の見直しを行った。その結果、アルミフレームは20mm角とし、直接荷重がかかるカーボンロッドは平織りで樹脂コーティングされたラップドチューンカーボンパイプを採用することとした。 ②モノづくりフェア2017において新型3Dプリンタに関する情報収集を行った。FDMタイプの3Dプリンタは、どのメーカーも構造的には大差なくシンプルなもので、積層する材料がモデルの完成度を大きく左右することが明らかであった。従って、磁土ペーストについて研究することが問題解決の糸口になると考えられたため、当初の予定を変更し、ペースト材料に関する理解をより深めるために流体力学および粒子分散液、レオロジー測定に関する資料および文献収集を行った。 3Dプリンタの部品は全て揃っており、プラスチック部品のモデリングが終了し次第、3Dプリンタを組立て、テストプリントおよび各種実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記載した通り、3Dプリンタの構造上パーツの剛性を高める必要が生じ、キットを製作しパーツを検討したため年度内に3Dプリンタを完成させることができなかった。また、当初の予定にはなかったペースト材料に関する資料および文献収集を行ったため、乾燥実験や粘度計測を行うことができなかった。これらを考慮して「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、まず3Dプリンタを組立てて12種類の磁土ペーストを使い、積層ピッチを0.2mmとしてテストプリントを行う。テストプリント結果から製作した3Dプリンタに適する磁土ペーストの水と珪酸ソーダの添加量の絞り込みを行うとともに、造形時の問題点を抽出する。テストプリントで造形可と判断された磁土ペーストのみを使い、乾燥実験および粘度計測を行う。その後、当初の計画通り複雑な形状のテストプリントを行い、改善を図っていく。
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