2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H07315
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Research Institution | Kyoto College of Economics |
Principal Investigator |
森崎 巧一 京都経済短期大学, 経営情報学科, 講師 (30405724)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 印象評価 / デザイン / 色情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、画像解析を取り入れた印象評価分析ツールのプロトタイプを開発した。プロトタイプは、デザインの類似性分析に画像解析機能を備えたツールの開発から進めた。まず、Excelのマクロ作成用言語(VBA)を用いて、画像解析ツール(24bit BMP形式の画像の画素値を読み取り、ヒストグラム等の諸量を計算するツール)を開発した。これにより、ツールに取り込んだデザイン画像に含まれている色情報(R(赤), G(緑), B(青), Y(輝度値), H(色相), S(彩度), V(明度)の平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値、分散、標準偏差、コントラストおよびヒストグラムの尖度、各値に対する頻度(個数)、ヒストグラム)を出力することが可能である。また、色相ヒストグラムの画像(png)を出力することが可能である。次に、上記の画像分析機能を追加した主座標分析ツールをExcel VBAを用いて開発した。これにより、主座標分析結果の固有ベクトルの散布図に、入力画像の画像解析結果(色相ヒストグラム画像)をプロットすることができ、色の類似性や相違性を確認しやすくした。また、主座標分析ツールにクラスター分析も追加し、同じクラスターに含まれるデザイン画像の色相情報を確認しやすくした。さらに、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて、デザイン画像の一対比較アンケートが容易に行えるWEBアンケートツールをHTML、CSS、PHPなどを用いて開発した。これにより、ユーザから一対比較アンケートデータを効率よく収集できるようになった。以上により、画像解析を取り入れた印象評価分析ツールのプロトタイプが完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、当初は主成分分析結果に画像解析機能を持たせるツールの開発を進めていたが、まずは画像の類似性に注目した分析ツールの方が開発しやすいと判断し、主座標分析を用いた画像の類似性分析に画像解析機能を取り入れる方針へ切り替えた。そして画像解析では、色の情報と形の情報の2種類から分析ツールの作成を試みているが、形の情報の分析については難航しており、本年度は色情報のみを分析ツールに取り入れた。WEBアンケートツールは、アンケートを行う被験者とアンケートを作成する分析者の2種類のユーザを想定しているが、本年度は前者のみを対象とした簡易的なWEBアンケートツールを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、一対比較と主座標分析だけでなく、当初予定していた印象評価と主成分分析にも対応させた印象評価分析ツールの開発を行う。画像解析機能は、色の分析だけでなく、形の分析にも対応したツールとして完成させるが、形の分析についてはExcel VBAでは限界があり、Open CVの画像解析ライブラリなどを用いた外部プログラムを作成する予定である。そしてWEBアンケートツールは、アンケートを作成する分析者をユーザとする、より高機能のWEBアンケートツールを開発し、一対比較だけでなく、形容詞などを用いた印象評価アンケートにも対応させる。以上のツールを完成させた後、ワークショップを開催して教育研究者に活用してもらって意見交換を行う。また、実際の教育現場でツールを実験的に活用し、評価や意見を収集する。ワークショップや実験から得られた情報をもとに改良を加え、最終的な印象評価分析ツールとして完成させる。
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