2017 Fiscal Year Annual Research Report
ミドリゾウリムシにおける共生藻獲得に伴う遺伝子発現・代謝動態とその意義の解明
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17H07329
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小林 優介 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 博士研究員 (20800692)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / ミドリゾウリムシ / クロレラ |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞による光合成能獲得は、藻類補食、藻類の一時的保持(盗葉緑体;任意共生)、絶対共生(葉緑体)の順に進行したと考えられている。この進化過程の理解は、光合成真核生物の誕生と多様化を理解する上で非常に重要であるが、ほとんど理解が進んでいない。この問題を解く有力な手段として、光合成を基盤とした任意共生系を対象として、細胞内共生の成立に必要な、宿主及び共生体に求められる要件を理解することが挙げられる。そこで本研究では、ミドリゾウリムシとクロレラの任意細胞内共生系を用いて、両者の代謝産物を介した相互作用を明らかにするとともに、宿主ミドリゾウリムシと共生クロレラそれぞれに求められる共生を成立させるために必要な要件を明らかにすることを目的とする。研究開始の本年度は、光合成において重要な窒素代謝に注目した解析を行った。 宿主ミドリゾウリムシの共生クロレラへの窒素源供給と共生クロレラの窒素源利用形態を解明するため、ミドリゾウリムシ、単離した共生クロレラ、独立生活クロレラを様々な濃度の無機窒素源及びアミノ酸存在下で培養した。共生クロレラは独立生活クロレラに比べて、無機窒素源を同化する能力が顕著に低い一方で、外界からアミノ酸を取り込み効率よく増殖に利用できることが明らかとなった。さらに、共生藻がどのように窒素源のやり取りをしているのか推測するための予備データを得るために、各培養条件に於けるRNA-seq解析を行うとともに、共生クロレラのゲノムをPacBioによって解読した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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