2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of social action outcome contingency from a perspective of autism-trait
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17H07336
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
角谷 基文 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 特任研究員 (10802796)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的随伴性 / 自閉スペクトラム症 / 機能的MRI / 社会的報酬 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)者は、その中核症状として社会的相互作用に様々な障害を抱えている。近年、他者との関わりへのモチベーションの低さがASD者のそれらの障害の原因であるとの仮説が提案されているが[Chevallier et al., 2012]、なぜモチベーションが低いのか、どのような神経基盤がモチベーション低下に関わるのかは不明である。申請者は先の研究[Sumiya et al., 2017]で、1)他者ではなく、自身の行動に相手の反応が随伴することで高い嬉しさが報告されること、2)自己の関与に関連した内側前頭前野の活動が感覚野と腹側線条体間の結合を変容させることで、嬉しさが生成されていること、を示した。本研究では、まず、先の研究の実験系を改変し、ASD者を含む多様な参加者に実施可能な簡易な相互作用課題を作成する。28名の健常成人を対象にfMRI実験を実施した。課題は先の研究の実験系を、簡易な随伴性課題として改変した擬似英単語発話課題を実施した。実験参加者はMRI装置の中で擬似単語を読み上げる。自身の行動(発話)の対照条件として、コンピュータが発話する条件(PC条件)も設定する。発音の自然さを装置の外で評価者が評価して、三段階の視覚刺激(首を縦に振る/動かさない/横に振る)を用いて反応を返す。随伴性に伴う嬉しさの変動を検討するため、相手の反応があった時点での脳活動を解析し、その時点での嬉しさを参加者に報告させた。実験の結果、1)他者ではなく、自身の行動に相手の反応が随伴することで高い嬉しさが報告されること、2)自己の関与に関連して内側前頭前野、自他の随伴性に関連して腹側線条体が強く活動すること、を示した。これらの結果から、自他の関わりと報酬の関係を検討する上で、簡易かつ多様な参加者に実施可能な実験系を作成できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい実験系を作成し、先の研究結果とほぼ一致する結果を得た。しかし、機能的結合の結果は同様にならなかったことから、2つの研究の異なる点(例:トライアル数など)を考慮する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度作成した実験系を用いて自閉症者を対象に実験を実施する。
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[Presentation] State-dependent and -independent representations of food revealed by multivoxel pattern analysis2017
Author(s)
2.Yoshimoto T, Chikazoe J, Okazaki S, Sumiya M, Takahashi HK, Nakagawa E, Koike T, Kitada R, Okamoto S, Kosaka H, Yada T, & Sadato N
Organizer
Yonsei Univ. Korea Univ. NIPS Symposium.
Int'l Joint Research