2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of social action outcome contingency from a perspective of autism-trait
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17H07336
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
角谷 基文 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 特任研究員 (10802796)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的随伴性 / 自閉スペクトラム症 / 機能的MRI / 社会的報酬 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)者は、その中核症状として社会的相互作用に様々な障害を抱えている。近年、他者との関わりへのモチベーションの低さがASD者のそれらの障害の原因であるとの仮説が提案されているが、なぜモチベーションが低いのか、どのような神経基盤がモチベーション低下に関わるのかは不明である。申請者は先の研究で、他者ではなく自身の行動に相手の反応が随伴することで高い嬉しさが報告されること、そして自己の関与に関連した内側前頭前野の活動が感覚野と腹側線条体間の結合を変容させることで嬉しさが生成されていること、を示した。本研究では、ASD者は、自他の随伴性に伴い感じる嬉しさは弱いのか、また自他の随伴性に伴う脳領域間の結合は弱いのか、を検討することを目指した。31名のASD者と24名の定型発達者を対象に行動実験とfMRI実験を実施した。課題は行動実験とfMRI実験ともに、申請者が先の研究で構築した実験系を用いた。実験参加者はMRI装置の中で大喜利の回答を面白く読み上げる。自身の行動(発話)の対照条件として、コンピュータが発話する条件(PC条件)も設定する。大喜利の面白さを装置の外で評価者が評価して、三段階の聴覚反応を返す(大笑い、小笑い、笑い声なし)。随伴性に伴う嬉しさの変動を検討するため、相手の反応があった時点での脳活動を解析し、その時点での嬉しさを参加者に報告させた。結果、ASD者は定型発達者と比較して、自身の行動に相手の反応が随伴したときに感じる嬉しさが弱いこと、そして自己の関与に関連した内側前頭前野の活動が弱いことがわかった。取得した脳機能画像の質の問題で、脳領域間の機能的結合は検討不能であった。これらの結果は、ASD者は自身の行動の結果の処理に問題があるため、社会的相互作用が楽しめていない可能性を示唆し、ASD者への心理的支援を考える上で重要な所見である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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