2018 Fiscal Year Annual Research Report
Graphic advertising for Western-style sweets and visual representations of young girl in modern Japan
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17H07340
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
前川 志織 国際日本文化研究センター, 研究部, 特任助教 (80805664)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | デザイン史 / 広告 / 洋菓子 / 子ども / 少女 / 嗜好品 / 視覚文化論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本近代文学館、森永製菓史料室、アドミュージアム東京、東洋文庫等での資料調査、広報誌『森永月報』等の調査に取り組み、分担執筆1件、論文1件、国内にて口頭発表3件、展示1件等を行った。これら研究実績の概要として次の2つがあげられる。 1、口頭発表「戦間期日本の新聞広告にみる洋菓子の意味の変遷と「大衆」としての子ども像」(共同研究「「運動」としての大衆文化」第3回共同研究会)等において、1913年から40年までの森永ミルクキャラメルの新聞広告をてがかりに、洋菓子広告と子ども―ターゲットとしての子ども/視覚的イメージとしての子ども像/それらの背景にあると考えられる子ども観―との結びつきについて、商品の文化的・社会的意味を形成する役割をもつ広告の視覚的特性に注目し考察した。童画風子ども像がキャラメル広告にとっての格好の視覚的イメージとなったこと、この子ども像が健康・成長・教育と結びつく食べ物である一方で、身体や心の快楽を満たす嗜好品でもあるというキャラメルの二重の意味に呼応すること等の検討により、洋菓子と少女との結びつきについての文化的・社会的背景を整理した。 2、展覧会企画「おいしい広告2:ヨーロッパと日本の酒・煙草・菓子のポスター」(主催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館、国際日本文化研究センター機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)において、私たちの日々の暮らしのなかで味覚や嗅覚に快感を与え楽しまれる嗜好品の広告と大衆的な視覚的イメージとの関係に注目し、ヨーロッパの菓子関連広告や酒や煙草などの他の嗜好品広告との比較、日本の製菓会社の広報誌やおまけといった広告関連資料の考察に取り組むことで、近代日本の洋菓子広告における子どもや少女の表象とその広告戦略を検討するうえでの多角的な視点を提示した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
【分担執筆】前川志織「近代日本のグラフィック広告にみる「キャラクター」と「世界」」、国際日本文化研究センタープロジェクト推進室編『動態としての「日本」大衆文化史』、2018、pp.66-68 【展示】「おいしい広告2:ヨーロッパと日本の酒・煙草・菓子のポスター」、京都工芸繊維大学美術工芸資料館、主催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館、国際日本文化研究センター大衆文化研究プロジェクト(略称)、2018
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