2017 Fiscal Year Annual Research Report
Gamow-Teller decay of 78Ni using neutron TOF method
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17H07360
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
郷 慎太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 基礎科学特別研究員 (70802693)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 実験核物理 / 原子核構造 / ベータ崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は二重魔法数を持つ78Niのベータ崩壊を対象に遅発中性子飛行時間測定法を用いベータ崩壊遷移強度分布を導出し、殻模型計算との比較によってその核構造を明らかにすることである。理化学研究所RIビームファクトリーにおいて78Niを核破砕反応によって生成し、実験セットアップに入射する。そのベータ崩壊、および崩壊に伴う中性子を測定する。中性子の飛行時間情報からエネルギーを導出することができるため、中性子分離エネルギーより上に遷移した崩壊強度を実験的に得ることが可能である。 この目的を達成するため、本年度は理化学研究所RIビームファクトリーにおいて中性子検出器アレイ(VANDLE)をアメリカ・テネシー大学より搬入した。搬入後はテストベンチをRIファクトリー内に設営し、その動作確認を行った。実験セットアップを設営する実験架台は本年度末に納品され、現在設営が進んでいる。 また、ベータ崩壊が起こる時間を高い分解能で決定できるインプランテーション検出器の開発を行った。インプランテーション検出器はセグメント化した無機シンチレータ(YSO)と位置感度のある光電子増倍管を組み合わせたものであり、RIビームファクトリーにおける核破砕反応生成物を効率よく停止させることができる。開発したインプランテーション検出器は理化学研究所RIビームファクトリーで本年度10月に行われた加速器実験においてデータを取得し、その適切な動作を実証した。現在は当該実験データの解析が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を行う上で主要な実験機器である中性子検出器アレイ(VANDLE)をテネシー大学から搬入し、テストベンチを用いてその動作確認が予定どおり行われた。また、ベータ崩壊を測定するインプランテーション検出器についても開発を行い、実際に理化学研究所RIビームファクトリーでの実験に採用され、適切な動作を予定通り実証した。実験を行う上での実験架台についても現在設営が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
理化学研究所RIビームファクトリーにおいて実験を行う。実験時期は未定であるが今秋に行われる場合はビームライン上に実験装置の設営を行い、実験データを取得する。
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