2018 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of Mismatch Repair in genome stability of cancer cells
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17H07371
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
宮部 泉 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (20800155)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ミスマッチ修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は昨年度の研究計画で、大腸癌症例を10例選択し、全トランスクリプトーム解析を行った。その結果、5種類の融合遺伝子候補が見いだされた。このうち既知のものは1種類のみであり、研究によって新規の融合遺伝子が検出される可能性が高いと予想された。本年度は、融合遺伝子の検出にフォーカスし、主にミスマッチ修復欠損 (MSI-H) の大腸がん(MSI-H 34サンプル、MSS 10サンプル)を用いて全トランスクリプトーム解析を行い、融合遺伝子の検出を試みた。その結果、44サンプルの大腸がんから179種類の融合遺伝子候補が検出され、偽陽性が疑われるものを除去した結果79種類が残った。これらの融合遺伝子は、MSI-Hサンプルの73.5%(25/34)、MSSサンプルの33.3%(3/10)に存在し、MSI-Hサンプルは融合遺伝子を発現している可能性が高いことが分かった。この結果は、ミスマッチ修復の欠損により融合遺伝子の形成が促進されることを示しており、ミスマッチ修復が染色体再編成を介した融合遺伝子の形成を抑制していることを示唆している。 今回我々が発見した79種類の融合遺伝子のうち、12種類の融合遺伝子は十分なシーケンスデータに裏付けられており、12種類のうち5種類は既知、7種類は新規の融合遺伝子だった。既知の5種類に関してはすでにClinical Trialが始まっている融合遺伝子である。したがって、新規の7種類に関しても今後詳細な解析を行うことによって新規分子標的薬の開発など臨床的に利用できる可能性がある。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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