2017 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨腫瘍における破骨細胞のオミクス解析:骨転移のマーカーと治療標的の探索
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17H07380
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中嶋 幸生 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (80785775)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 骨リモデリング / 悪性骨腫瘍 / 破骨細胞 / 分泌因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性骨腫瘍の微小環境においては、骨腫瘍が分泌した因子を介して、骨の代謝を司る骨芽細胞と破骨細胞の分化・機能に影響を与えることにより、異常な骨のリモデリング(骨溶解・骨硬化)が生じる。そして臨床的には、患者に病的骨折や激しい痛みを起こすことが問題となっている。本研究の目的は、悪性骨腫瘍により活性化された破骨細胞の網羅的に解析することによって、診断・治療の標的となる分子・薬剤を同定し、患者腫瘍移植マウスモデル(PDX)を用いて検証することである。 初年度としては、腫瘍の刺激により活性化した破骨細胞を質量分析により解析するための実験を実施した。具体的には、種々の手術検体を用いて、組織中に含まれるタンパク質をバッファーに可溶化させ、培養細胞に添加する際の抽出液を作成する方法を検討した。電気泳動の結果から、液体窒素を用いて凍結検体を物理的に破砕する方法が、最も効率かつ良好なサンプルを抽出できることを確認した。次に前実験として、培養液中に放出された分泌因子を質量分析によって検出可能かどうかを検討した。方法として、1-放射性同位体で標識したアミノ酸を含有する培養液中にて、培養細胞を生育させることによりタンパク質をラベルする方法(SILAC 法)、及び2-タンパク質をラベルせず、複数の条件下で調整したサンプルを比較することにより、同定する方法(ノンラベル法)を検討した。それぞれ、減圧濃縮を行い作成したタンパク質サンプルを質量分析にて解析した。その結果から、2-ノンラベル法が本実験に適していることを確認した。以上の結果に基づき、次の段階として悪性骨腫瘍の手術検体から抽出液を作成し、ヒト破骨細胞の初代培養系に添加・刺激後、破骨細胞のライセート、及び分泌因子を質量分析にて検出する予定である。現在、悪性骨腫瘍である骨肉腫と骨転移の組織抽出液を作成するための手術検体の提供を待っている状況である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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