2017 Fiscal Year Annual Research Report
中脳ドーパミン細胞は見込み的に循環系を制御するか?
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17H07393
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石井 圭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70803899)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 中脳腹側被蓋野 / ドーパミン細胞 / セントラルコマンド / 循環調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動を始めようとすると、脳は運動指令と共に循環指令(セントラルコマンド)を発し、運動実行と同時に見込み的に循環応答を引き起こす。この現象はよく知られているが、そのメカニズムはいまだ未解明である。これまで得られた知見より、「循環調節と関係ないとこれまで考えられてきた中脳腹側被蓋野(VTA)ドーパミン細胞の活性化によちセントラルコマンドが生じる」という仮説をたてた。本仮説を検証するために今年度は、ラットVTA各領域に微量薬物投与により誘発される運動神経・交感神経活動および循環応答を計測することでVTAの機能マッピングを試みた。VTA吻側部の活性化は交感神活動の増加および心拍数・血圧の増加を引き起こすが、尾側ではそれらの応答は誘発されないという結果が得られた。この結果は、セントラルコマンドにはVTA吻側部が関与している可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半年間で実験に必要な物品・機材を購入し、実験を開始することができた。例数はまだ足りていないがおおよその結果は得られたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は脳内投与部位を組織化学的に確認すると同時に、症例数を増やす予定である。また、次の実験計画に必要な物品の準備を進めている。
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