2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new geothermobarometry and geospeedmetry based on the kinetics of carbonaceous material
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17H07395
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 佳博 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (60803905)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 石墨化 / グラファイト / 炭質物 / 反応速度 / 低温変成作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は,野外地質調査と高温高圧実験を組み合わせることで,天然に産する有機物や炭質物の結晶構造進化に関する詳細な分析と結晶度の再現実験を実施した.これまでの反応速度実験から圧力に大きく依存して天然炭質物の再結晶化が促進することを実証している.そこで本研究では高温高圧条件下で天然有機物を出発物質にグラファイトを合成することで,-1.5~-4.0 cm3/molと-21.7~-33.7 cm3/molの負の活性化体積を見積もることに成功した.特に低圧条件下でも大きな負の活性化体積を見積もることができ,圧力の影響によってグラファイトが地殻中で普遍的に存在できることを実験から証明した. さらにこの高温高圧実験の結果より,より現実的な温度圧力条件に外挿できるようになった.被熱時間を1000万年と考えると,有機物からグラファイトへ結晶化する際に必要な温度圧力条件は0.5-1.0 GPa (地下15~30 km)で480-700℃であることが今回の反応速度式から見積もれる.この温度圧力条件は,天然で産するグラファイトの形成温度圧力条件とよく一致しており,今後様々な変成帯で温度-圧力-被熱時間条件をグラファイトの結晶化度から推定できることを示唆している.この研究成果に関しては現在論文を投稿中である. この研究成果のほか,摩擦溶融に伴い形成されたシュードタキライト中有機物の熟成過程と流体沈殿グラファイトの記載に関して論文を作成し,2018年に論文が受理された(Nakamura et al. 2018; Tectonophysics).また極低温領域での有機物熟成過程に関する研究に関しても現在査読中である.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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