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2017 Fiscal Year Annual Research Report

次世代シーケンサーを用いた網羅的解析による谷型難聴の原因遺伝子解明

Research Project

Project/Area Number 17H07404
Research Institution独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター)

Principal Investigator

山本 修子  独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (90626897)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords谷型難聴 / TECTA / 遺伝性難聴
Outline of Annual Research Achievements

中音域が障害される谷型難聴は、その特徴的な聴力像と家族内発症の報告から、以前より遺伝性難聴の可能性が示唆されてきたが、原因遺伝子は、これまでにEYA4、TECTA、COL11A2、CCDC50の4遺伝子しか報告がなく、先行研究によると最も多く報告されているTECTA遺伝子でさえ谷型難聴のうち6%であった。そこで我々は、9割以上が原因不明の谷型難聴原因遺伝子の解明を目的に研究を開始した。
2002年10月から2017年11月に当研究室で遺伝子検査を行った発端者2105人を対象に、非症候群性両側感音難聴で、GENDEAFの谷型の基準もしくは独自に定めた浅い谷型の基準を満たす症例を選択したところ81人であった。そのうち13人には既に原因遺伝子が同定されており、TECTA遺伝子4人、GJB2遺伝子3人、CDH23遺伝子2人、WFS1遺伝子1人、OTOA遺伝子1人、OTOGL遺伝子1人、STRC遺伝子1人であった。残り68人のうち、12人は既に全エクソーム解析済みで原因不明であったため、56人を対象に154難聴遺伝子のターゲットリシーケンス解析を行った。その結果、LARS2遺伝子1人、STRC遺伝子1人、LOXHD1遺伝子1人が病的変異として確定し、現時点で解析が終了している34人の結果をまとめると、TECTA遺伝子4人、GJB2遺伝子3人、CDH23遺伝子2人、STRC遺伝子2人、WFS1遺伝子1人、OTOA遺伝子1人、OTOGL遺伝子1人、LARS2遺伝子1人、LOXHD1遺伝子1人と16人(42%)で原因遺伝子が同定できており、最も多かったのはTECTA遺伝子であった。
現在、残り23人はターゲットリシーケンス結果の解釈及びサンガー法での確認作業中で
、24人はかずさDNA研究所においてターゲットリシーケンス解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、平成29年度に対象検体の選別およびターゲットリシーケンスによる既知の154難聴遺伝子の解析を終了し、原因不明であった症例に対して全エクソーム解析開始予定であった。実際には、検体の選別までは予定通り進行できたが、BAMファイル形式までのターゲットリシーケンス解析を委託しているかずさDNA研究所とのシステムの構築に予想以上に時間がかかったため、少し遅れが出た。しかしながら、現在はシステム構築が終了しているため、今後は遅滞なく進行可能と考えている。

Strategy for Future Research Activity

まず残り47人のターゲットリシーケンス解析を進める。ターゲットリシーケンス解析が全員終了した時点で、原因遺伝子の内訳、臨床的特徴(発症時期、進行の有無、難聴の程度、前庭障害合併の有無、語音明瞭度等)をまとめ、過去の報告と比較する。
次に、ターゲットリシーケンス解析では原因と考えられる遺伝子変異を認めなかった家系に全エクソーム解析を行い、新規難聴遺伝子を探索する。下記の項目で選抜を行い、候補遺伝子を絞り込む。①Splice site(exonとintronの境界から5塩基まで)かexonにあるvariantを選択。②MAFが0.5%以上のvariantは除外。③missense variantであればsynonymous variantは除外。④遺伝子変異影響予測アルゴリズムPolyPhen-2,PROVEAN,SIFT等の algorithmを用いたすべての予測システムで変異の影響が乏しいと予測されたものは除外。⑤アミノ酸の種の保存性が低いものは除外。⑥当研究室で保有している成熟サル蝸牛のcDNAライブラリーデータ(未発表)より、蝸牛内高発現遺伝子の中で検討する。⑦コントロールにおける変異頻度(allele frequency)と比較して対象家系内の変異頻度が高い遺伝子がないか検討する。⑧発端者の解析で絞り込まれた新規難聴遺伝子候補の変異について、サンガー法で家系メンバーに変異があるか解析し、家系内整合性を調べる。以上の情報から、ClinGenのDisease Clinical Validity Classificationを参考にして新規難聴遺伝子かどうか検討する。
新規原因候補遺伝子が見つかった場合には、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により候補遺伝子のノックアウトマウスを作成し、分子機能の検討も行いたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Prevalence of TECTA mutation in patients with mid-frequency sensorineural hearing loss2017

    • Author(s)
      Yamamoto Nobuko、Mutai Hideki、Namba Kazunori、Morita Noriko、Masuda Shin、Nishi Yasuyuki、Nakano Atsuko、Masuda Sawako、Fujioka Masato、Kaga Kimitaka、Ogawa Kaoru、Matsunaga Tatsuo
    • Journal Title

      Orphanet Journal of Rare Diseases

      Volume: 12 Pages: -

    • DOI

      10.1186/s13023-017-0708-z

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 谷型難聴におけるTECTA変異の頻度とその特徴2017

    • Author(s)
      山本修子、西康行、増田佐和子、仲野敦子、森田訓子、藤岡正人、加我君孝、小川郁、松永達雄
    • Organizer
      第118回日本耳鼻咽喉科学会通常総会・学術講演会
  • [Presentation] TECTA変異による谷型難聴症例の遺伝学的・臨床的検討2017

    • Author(s)
      山本修子、森田訓子、益田慎、西康行、仲野敦子、増田佐和子、藤岡正人、加我君孝、小川郁、松永達雄
    • Organizer
      第62回日本聴覚医学会総会・学術講演会
  • [Presentation] TECTA蛋白の構造解析による新規変異の分子病態予測2017

    • Author(s)
      山本修子、難波一徳、務台英樹、森田訓子、松永達雄
    • Organizer
      第27回日本耳科学会総会・学術講演会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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