2017 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム拮抗薬を基盤とした心臓PET画像診断技術の開発
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17H07422
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
平野 満 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (20803208)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 画像診断技術 / カルシウム拮抗薬 / 心臓PET |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全等の心疾患は、高齢化により更なる患者数の増加が予測され、病態(ホルモン分泌量や遺伝子発現等)を把握した上での戦略的治療(プレシジョン・メディシン)が望まれる。最新のPETを用いた分子イメージング技術は、生体内での様々な分子・細胞の活動を3次元定量画像として捉えることが可能であり、治療戦略を推し進める基盤技術としては期待されている。電位依存性Ca2+チャネルは、心不全発症に至る心筋リモデリングや心臓突然死において重要な役割を果たすこが指摘されており、新たな治療標的として注目されているが、そのメカニズムに関しては不明な点が多い。本研究計画では、カルシウム拮抗薬をベースとしたPETトレーサーを開発し、心臓におけるCa2+チャネルの発現量・分布を画像化する新規分子イメージング診断技術を確立し、心不全・突然死の病態解明・臨床応用することを目指している。F18標識のPETトレーサーは、従来のC11標識のトレーサーと比較して、半減期が長く、中央サイクロトロン施設からデリバリーを受けることができる点や、撮像時間選択の柔軟性などから、申請者のグループでは、F18標識PETトレーサーを積極的に用いている。当該年度においては、新規トレーサーの有用性を評価するために必須の、トレーサー標識方法の確立、細胞取込み評価法の確立、受容体結合評価法の確立、小~大動物までの画像診断技術の取得といった実験の基盤作りが主な成果となっている。新規トレーサーの開発においては、若干の遅れが生じているが、所属先の合成・F18標識に優れた研究者とのディスカッションを通して、積極的に進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、新規トレーサーの有用性を評価するために必須の、トレーサー標識方法の確立、細胞取込み評価法の確立、受容体結合評価法の確立、小~大動物までの画像診断技術の取得といった実験の基盤作りは順調に進んだ。新規トレーサーの開発においては、若干の遅れが生じているが、所属先の合成・F18標識に優れた研究者とのディスカッションを通して、積極的に進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新規18F標識PETトレーサーの合成及び基本性能評価を行っていく。 基本性能評価を終えたトレーサーから、逐次、小動物を用いた心臓における機能的発現分布の画像化を進めていく。
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