2017 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス前終末におけるシナプス小胞サイクリング機構の解明
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17J00006
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岡本 悠志 同志社大学, 脳科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | シナプス前終末 / シナプス小胞 / 開口放出 / 代謝型グルタミン酸受容体 / GABA(B)受容体 / カルシウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
異なる神経可塑性を示すcalyxシナプス(短期抑圧)と海馬苔状繊維シナプス(短期促通・長期可塑性)のシナプス小胞サイクリングの共通点と差異を見出し、その制御・調節機構を明らかにすることを目的とした。神経伝達物質を貯蔵したシナプス小胞の開口放出、エンドサイトーシスによる小胞の回収・再形成、伝達物質の再充填、開口放出への再利用という一連の過程をシナプス小胞サイクリングと呼ぶ。これらの過程はシナプス伝達の維持に必要不可欠で、様々な因子により制御・調節される。これに関して2つの実験をおこなった。1.電気生理学・光学的手法を組み合わせ、海馬苔状繊維シナプス前終末の開口放出・エンドサイトーシスに伴うシナプス小胞膜・タンパク質の動態を測定することを試みた。小胞タンパク質の抗体付き蛍光タンパク質でシナプス前終末の可視化を試みたが、測定可能な蛍光強度を得られなかった。2.電気生理学・薬理学的手法により、神経可塑性に関与する可能性のあるグループⅢ代謝型グルタミン酸受容体、GABA(B)受容体のシナプス小胞サイクリング調節機構を検討した。Calyxシナプスでは代謝型グルタミン酸/GABA(B)受容体を介してシナプス前終末のカルシウム流入、伝達物質放出が抑制される。海馬苔状繊維シナプスにおいても同様の作用を示す報告があるが、このシナプスからの直接記録は困難なため、これら受容体の有無、伝達物質放出抑制の作用機序などは不明な点が多かった。そこで苔状繊維シナプス前終末からパッチクランプ法の直接記録と受容体のアゴニスト投与により、受容体の有無、電気特性や伝達物質放出への修飾作用を検討した。その結果、苔状繊維シナプス前終末に代謝型グルタミン酸/GABA(B)受容体が存在すること、これらが主としてシナプス前終末Ca(2+)チャネルに作用すること、GABA(B)受容体がより顕著に作用することが示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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