2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the relationship between Atayalic and Western Plains languages of Formosa
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17J00060
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
落合 いずみ 神戸市外国語大学, 外国語学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 台湾オーストロネシア諸語 |
Outline of Annual Research Achievements |
台湾オーストロネシア諸語のアタヤル語群(アタヤル語・セデック語)とそのほかの言語、特に西部平原の諸言語との系統的関連性を探る研究を進めた。セデック語パラン方言はフィールド言語調査で語彙を収集した。その整理作業を並行して進めている。またセデック語トゥルク方言との比較によりセデック祖語を再建する作業も進めている。この再建作業に関連し、セデック語の隠れた接中辞という題目で2018年5月に研究発表を行う。このほか2017年11月にはアタヤル語群祖語の包含方言を再建した研究を発表している。 シラヤ語(消滅した西部平原の言語)は、この言語が記録された当時に用いられた媒介言語であるオランダ語を自学し、またシラヤ語の先行研究を渉猟するなどした。現在では17世紀に残されたキリスト教文献を自力で解読できるまでになった。今後これらの文献を活用し、シラヤ語の文法について未だ明らかでない部分を解明するための研究を行うつもりである。このほか、18世紀に漢字(ビン南音の発音で読まれる)で表記されたシラヤ語の歌謡を解読している。この成果は2018年9月に研究発表の予定である。 ブヌン語北部方言の調査も始めた(これは西部平原の言語ではなく、山岳地帯の言語であり、セデック語・アタヤル語に隣接する)。アタヤル語群で行った包含表現の研究についてブヌン語でも調査した。ブヌン語を理解し、アタヤル語群と比較することで、それぞれの相似相違を知ることになる。これは台湾全体の言語の系統関係の疎遠を判断するのに役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来予定していたセデック語のフィールド言語調査を行えた。本来予定していたシラヤ語の文献読解ができるようになった。本来予定していたアタヤル語の調査は機会を得なかったがその代わりにブヌン語を学習する機会をえた。
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Strategy for Future Research Activity |
セデック語のフィールド言語調査を引き続き行う。これにより語彙を増やすほか、セデック祖語の語彙再建、セデック祖語における文法の再建を行う。さらにアタヤル語の調査ができたら行う。できなければアタヤル語の文献調査を行い、セデック祖語と比較することでアタヤル語群祖語を再建する。西部平原の言語については、シラヤ語の研究を前年に引き続き行うほか、バブザ語の文献研究を開始する。
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Research Products
(1 results)