2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J00085
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
飛田 尚重 東京女子医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 拡張型心筋症 / 遺伝子 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、次世代シーケンサー(NGS)により遺伝子解析技術が進歩したことにより遺伝子変異情報を用いたPrecision medicineへの応用が期待されている。拡張型心筋症(DCM)は遺伝子変異が原因となり発症することが知られてきた。しかし、報告された遺伝子は数十以上であるため本邦における遺伝子変異情報の蓄積は十分ではなく、しかも既知遺伝子の変異が存在しない症例も存在する点が問題であった。本研究ではNGSを用いて、心筋症の既知遺伝子を含む95遺伝子の変異を同定するシステムを構築し解析を行った。本邦120家系のDCMの遺伝子型解析を行った結果、65.0%の症例が既知の心疾患関連遺伝子を保有し30.8%が疾患原因と考えられる遺伝子変異を有していたことが明らかになった。その中でもTTN truncation変異、LMNA変異を有する症例が最も多かった。さらに、TTN truncation変異を有する群に比べてLMNA変異を有する群では家族性である頻度が高く、予後が不良であり、左室のreverse remodelingを生じる頻度が低かった。現在はさらに多くの心筋症患者のDNA検体を収集、解析しており、これらの遺伝子変異情報を用いたPrecision medicineへの応用が期待される。また、全エクソーム解析を実施して新規原因遺伝子としてMYLK3遺伝子の変異を独立した2家系において同定し、HEK293T細胞を用いて機能解析を行った。このMYLK3遺伝子は重要な治療標的となる可能性があるが、実際にヒトの細胞においてHeterozygous変異が果たす役割は明らかではない。その為、MYLK3遺伝子変異を有する2家系の患者に由来する疾患特異的iPS細胞を樹立し、心筋分化を行うことに成功した。今後これらの疾患モデルを用いることでDCMの病態解明・治療法開発実現に貢献することが期待される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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