2018 Fiscal Year Annual Research Report
超重力理論に基づいた非等方インフレーションの再構築とバースト的重力波生成
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17J00216
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 飛鳥 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 重力波 / 初期宇宙 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、パルサータイミングアレイを用いた重力波の非ガウス性の検出理論を構築した。一般に初期宇宙由来の重力波は非ガウシアンである。また、非ガウス性は主に重力波の3点関数であるバイスペクトルによって特徴づけられる。バイスペクトルは、重力波の生成機構に依存した3次元分布をもつ。よって、この3次元分布を観測することができれば、重力波の生成機構の特定が可能になる。したがって、シグナルからバイスペクトルを抽出する際に、バイスペクトルの分布の情報を取り出せるような方法を構築する必要があった。そこで、あるフィルター関数を用いることによって、シグナルの3点関数から重力波のバイスペクトルの分布の情報が取り出せることを発見した。また、複数のパルサーの観測の相関をとることによってバイスペクトルを測定する方法を与えた。この成果は論文として出版されている。 Tsuneto Makoto, Asuka Ito, Toshifumi Noumi, Jiro Soda, “Searching for Bispectrum of Stochastic Gravitational Waves with Pulsar Timing Arrays,” JCAP 03 (2019) 032.
また、当初予定になかった方向の研究も進めることもできて、"重力波-マグノン共鳴"を用いた、GHz帯の重力波観測の方法を提案した。さらに、実際のマグノン共鳴蛍光実験の結果を参照することによって、実際にGH帯の重力波に制限を与えることに成功した。 Asuka Ito, Tomonori Ikeda, Kentaro Miuchi, Jiro Soda, “Probing GHz Gravitational Waves with Graviton-magnon Resonance,” arxiv:1903.04843
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画であった、パルサータイミングアレイを用いた重力波の非ガウス性の検出理論の構築のみならず、新しい重力波の観測方法を提案することに成功した。このような状況から、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究内容である「"重力波-マグノン共鳴"を用いた重力波観測」をさらに詳細に研究する。具体的には重力波の円偏光、及び非ガウス性の検出可能性を検証する。さらには、マグノンを利用したダークマター探索についても研究を進めていく予定である。
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Research Products
(9 results)