2018 Fiscal Year Annual Research Report
植物免疫応答におけるアクチン機能および細菌性エフェクターHopW1の作用機構解明
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17J00236
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
貴嶋 紗久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | アクチン / アクチンアイソフォーム / 植物免疫 / アクチン結合タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
P. syringae由来のHopWIエフェクターは、アクチンの重合を阻害し、植物の免疫応答を抑制する。このHopWIのアクチンアイソフォームに対する影響を調べた。N. benthamianaの葉を用いた一過的発現系で、アクチンマーカーとHopWIを共発現した結果、アクチン結合ドメインのマーカーと同様にACT7はフィラメントが観察されず、HopWIの重合阻害の影響が見られた。一方、ACT2はHopWIが発現している細胞でもフィラメントが残ったままで、ACT2とACT7でHopWIの影響が異なっていた。次に、P. syringaeに対する病原抵抗性について、act2・act7機能欠損変異株で比較した (筑波大学との共同研究)。その結果、act7の病原抵抗性が野生型やact2よりわずかに上昇していることが明らかとなった。 HopWIの影響や、1年目の研究でアクチン結合ドメインの結合がACT2/ACT7で異なっていたことから、他のアクチン結合タンパク質についてアクチンアイソフォームとの局在を調べた。束化タンパク質FIM1やVLN2、重合促進因子AtFH4の結合はアイソフォーム間で違いは見られなかったが、免疫応答への関与が示唆されている脱重合タンパク質ADF4はACT7特異的に結合した。また、興味深いことにアクチン結合ドメインやACT7と共局在しない微小管とACT2の共局在が観察された。 1年目に樹立した蛍光タンパク質融合アクチン発現株の観察方法を検討した結果、細胞の化学固定によってフィラメントを観察することに成功し、異なる組織の表皮細胞でアクチン繊維の太さや長さが異なる様子が観察された。根の表皮細胞ではACT2は微小管様の局在を示し、ACT7は束化したフィラメントに取り込まれていた。以上の結果は、アクチンアイソフォームが植物細胞内で異なる機能を担っている可能性を強く示唆する。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)