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2018 Fiscal Year Annual Research Report

細胞膜Blebにおけるアクチン細胞骨格の再集積過程の解析

Research Project

Project/Area Number 17J00242
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

青木 佳南  九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2020-03-31
KeywordsBleb / アクチン細胞骨格 / 細胞膜 / 細胞遊走
Outline of Annual Research Achievements

Bleb の形成・退縮を規定する分子の制御メカニズムについて、私はこれまでに、Rnd3とRhoAの相互拮抗的な性質がBlebの形成・退縮サイクルの制御に必要であることを明らかにしている。本年度は、この相互拮抗作用がBlebの形成・退縮制御において中心的に機能していることを示すため、数理モデルを構築し、Bleb形質膜上における各分子の挙動について、シミュレーション結果と実験結果との比較・検討を行った。また、細胞遊走時に形成されるBlebとアポトーシス時に形成されるBlebの比較・検討を行った。その結果、構築した数理モデルが、これまで検討してきた細胞遊走時のBlebだけではなく、アポトーシス時に形成されるBlebの挙動についても再現可能であることを見出した。
Bleb 形成・退縮に関わる新規分子の機能解析について、私はこれまでの研究から、Bleb拡大期にのみBleb細胞質内へ選択的に濃縮するシグナル伝達分子を複数発見している。これらの分子は、細胞質においてBlebの形成または退縮を制御する全く新規のシグナル伝達に関与していると考えられる。本年度は、Bleb細胞質内へ濃縮する分子の上流となるシグナル伝達経路の探索を行った。そして、あるシグナル伝達に関与する分子が拡大期のBleb細胞質に特異的に集積することを新たに見出した。そのシグナル伝達経路を、特異的な阻害剤やドミナントネガティブ体の発現により抑制すると、Blebの退縮が早まり、Blebが小型化することを確認した。一方、これらシグナル伝達分子のドミナントアクティブ体を過剰発現することで、Blebの退縮の遅れによるBlebの大型化が観察された。このことから、退縮期にアクチン重合を促進するRhoA-Rnd3経路とは逆に、拡大期にアクチンの重合を抑制することで,Bleb拡大を促進させる新規のシグナル伝達経路の存在が見出された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「Bleb の形成・退縮を規定する分子の制御メカニズムの解明」について、本年度はRnd3とRhoAの切り替えを制御する分子機構の解明を目的とし、数理モデルの構築を中心とした解析を行った。その結果、細胞遊走時のBleb形成過程のみならず、アポトーシス時に形成されるBlebの挙動についても検証し、再現することができた。
「Bleb 形成・退縮に関わる新規分子の機能解析」については、以前までの研究で見出されたBleb内細胞質へ濃縮する分子の解析に加え、同様にBleb内へ濃縮する新たなシグナル伝達分子を見出し、その機能解析とシグナル伝達経路の同定を行った。これにより、Blebの拡大期を制御する新規シグナル伝達経路を新たに同定することができた。

Strategy for Future Research Activity

BlebにおけるRnd3の形質膜への局在制御機構と、Rnd3とRhoAの切り替えを制御する分子機構の解明を目的とし、形質膜の張力変化やアクチン制御に関係する分子について培養細胞を用いて引き続き解析を行う。アクチン制御分子や膜張力変化に応答する分子群の局在を、共焦点顕微鏡を用いたライブイメージングや蛍光抗体染色により観察し、Blebの形成・退縮時における局在や活性の変化を解析する。加えて、形質膜を構成する膜脂質のプローブや膜タンパク質に着目し、Blebの形成・退縮サイクルにおいて機能的である分子を探索する。そして、Rhd3-RhoAの相互抑制機構を中心とした数理モデルを構築し、ライブイメージングデータの定量結果と比較・検討する。また、遊走時に形成されるBlebとアポトーシス時に形成されるBlebの違いを、それぞれのBleb形成に関与する分子の違いという観点から検証する。前述の数理モデルをアポトーシス時のBlebにおいても適用し、細胞遊走のみならず様々な生命現象で普遍的に用いられるBleb形成メカニズムの検証を行う。
形成・退縮に関わる新規分子の機能解析に関しては、Bleb内部の細胞質に濃縮するアクチン制御分子の機能解析を進める。具体的には、昨年度同定した、Bleb拡大時に機能するシグナル伝達経路について、分子間相互作用の有無や、変異体導入・阻害剤処理による細胞遊走能への影響などを培養細胞において検証する。また、CRISPR/Cas9システムによりこれらの遺伝子の発現を消失させた細胞株を用いて、Blebの形成・退縮に対する影響をライブイメージングや蛍光抗体染色により解析し、細胞質側からのBlebの制御メカニズムについてさらに考察する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] ブレブの形成・退縮を制御する分子機構の解明2019

    • Author(s)
      青木佳南、松沢健司、池ノ内順一
    • Organizer
      2019年生体運動研究合同班会議
  • [Presentation] Molecular mechanisms underlying dynamic behavior of membrane bleb2019

    • Author(s)
      Kana Aoki, Junichi Ikenouchi
    • Organizer
      Directed Cell Migration Gordon Research Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Cdc42-FMNL3 mediated constitutive actin regrowth underneath plasma membrane underlies the repetitive nature of membrane blebs2018

    • Author(s)
      Kana Aoki, Shinsuke Satoi, Seiichi Uchida, Yoh Iwasa, Junichi Ikenouchi
    • Organizer
      日本細胞生物学会大会(第70 回)

URL: 

Published: 2019-12-27  

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