2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of carrier behaviors in tin perovskite solar cells by using electric-field-induced optical second-harmonic generation measurement
Project/Area Number |
17J00264
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野間 大史 東京工業大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | ペロブスカイト / 太陽電池 / ヒステリシス / イオン / 電荷変調分光 / 有機カチオン / 電界誘起光第2次高調波発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電界誘起光第2次高調波発生(EFISHG)法により錫ペロブスカイト太陽電池の内部電界を直接測定し、発電機構の明確化のためにキャリヤ挙動の評価を行うことを目的とする。 平成29年度は、錫ペロブスカイトのEFISHGにより太陽電池の内部電界を評価することを目的として研究を行った。錫ペロブスカイトは、最も一般的なCH3NH3SnI3 (MASnI3)に着目した。成膜方法の改善により電気測定時に短絡しないMASnI3薄膜を作製することに成功し、SHスペクトルからMASnI3から発生するEFISHG波長が610 nmにあることを突き止めた。しかし、MASnI3から発生するEFISHGの外部電圧依存性は測定限界程度に弱く、MASnI3の電界を直接測定することは困難であることが判明した。 一方、MASnI3の誘電物性を評価するために、インピーダンスアナライザによるキャパシタンスの測定も同時に進めた。その結果、キャパシタンスを測定できただけでなく、C-V特性に現れるヒステリシス現象の観測に成功した。これはペロブスカイト中のイオンの移動によるものと考えられ、電荷変調分光法(CMS)による光学的な変化とも相関性が取れた。また、太陽電池構造において、電子輸送層のC60のEFISHGにより、イオンの移動によるヒステリシスを内部電界から具体的に議論することができた。 さらに、錫ペロブスカイトの有機カチオンを置き換えてCH(NH2)2SnI3 (FASnI3)とすることにより、外部電圧依存性の強いEFISHGが発生することを発見した。錫ペロブスカイトの内部電界測定を錫ペロブスカイト由来のEFISHGにより直接、目標の精度で行えるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、錫ペロブスカイトから発生するEFISHGを詳細に調べ、実際に太陽電池の内部電界測定まで行うことを目標として研究を行った。錫ペロブスカイトMASnI3のEFISHGは当初の想定とは異なり十分な電界依存性を確認できなかったが、イオンの移動によるヒステリシスをC60のEFISHGにより議論することができ、またFASnI3から目標の強度のEFISHGが確認できたことからも、研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度発見したFASnI3のEFISHGを活かし、EFISHG測定による太陽電池の内部電界測定を進める予定である。具体的には、電流-電圧(I-V)特性に現れる錫ペロブスカイトの光起電力効果と、内部電界の関係を明確化する予定である。また、時間分解測定も行い、先行研究では明らかにできなかった、太陽電池発電中のイオンの移動過程を時間変化で追うことができれば最良である。
|
Research Products
(12 results)