2019 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ未解決問題を解く超高性能キセノンガス検出器開発
Project/Area Number |
17J00268
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 輝石 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 放射線検出器 / キセノン |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊(0νββ)や暗黒物質を探索するための、高圧キセノンガスを用いた大型のタイムプロジェクションチェンバー検出器AXELを開発している。電離電子の検出には、我々が独自に考案・開発したElectroluminescence Collection Cell(ELCC)を用いる。ELCCの原理検証は10Lの容積を持つ検出器により実証済みであり、現在は2.5MeVでの性能評価や大型化の技術獲得のため、180Lの容積を持つ圧力容器を用いた開発を進めている。 当該年度はスクロール真空ポンプ、循環ポンプ、昇圧ポンプが相次いで故障したが、スクロール真空ポンプについては交換、循環ポンプと昇圧ポンプについてはより高性能なポンプの選定と交換作業と配管の工事を行い、高圧のキセノンガスを漏らさずに検出器に導入・循環・取り出しができるガスシステムを構築した。また、エネルギー分解能がガス中の不純物により悪化することを実機で確認し、純度のコントロールのためにRGAによるガス分析も開始した。180L試作機は、最初の段階として168チャンネルでの試験を行った。ELCCの構造の見直しにより、放電抑制や制作作業性の向上を達成した。また、読み出し回路のファームウェアに開発当初から残る致命的なバグを発見し、これを修正することで、全チャンネルのMPPCの波形が正しく取得でき、PMTとも連動してデータ取得ができることを確認した。大型試作機は最初の段階として168チャンネルで試験を行ってきた。22Naからの511keVのγ線の観測に実験グループ史上初めて成功し、分解能の評価ののちに、査読付き投稿論文として出版された。 また、本研究で開発中の高圧キセノンガス検出器を用いた新たな応用として、暗黒物質探索の感度を飛躍的に向上させる解析が可能なミグダル事象の観測可能性についても調査を開始した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)