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2018 Fiscal Year Annual Research Report

緑内障手術後の創部の線維化抑制

Research Project

Project/Area Number 17J00537
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

荒木 裕加  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2020-03-31
Keywords線維柱帯切除術 / 結膜 / 線維化 / スフィンゴ脂質-1-リン酸
Outline of Annual Research Achievements

緑内障濾過手術は眼圧下降効果の高い手術として多く行われているが、術後の創部線維化がこの手術を失敗に導く大きな原因となっている。創部の線維化をコントロールすることが重要な課題である。
今回、線維化に関連する因子として生理活性脂質であるS1Pに着目し、濾過手術周術期の房水中のS1P濃度、および結膜やテノン嚢における線維化反応を検討した。濾過手術の術前には房水中にS1Pは存在しなかったが、濾過手術後の房水中にS1Pが増加していることが示された。また、S1Pにより結膜線維芽細胞の遊走は抑制され、筋線維芽細胞への分化が促進され、コラーゲンの発現が促進された。これらの結果から、細胞遊走は主にS1P2受容体を介して抑制、線維化反応はS1P1, 2, 3受容体を介して活性化されていることが示唆された。S1P受容体アンタゴニストは、緑内障濾過手術後の創部線維化抑制に効果を示す可能性があると考えられた。以上を、論文として発表した。
ここまでは濾過手術後の主に出血由来と考えられるS1Pの短期的な影響を調べたものであるが、中・長期的にS1Pが創部の線維化に関わるかどうかに関して、さらに研究を進めた。TGF-β1を使用して結膜線維芽細胞に刺激を与えることで、S1Pが動いている可能性が示され、結膜線維芽細胞におけるTGF-β1とS1Pのクロストークが示唆された。こちらに関しても今後検討の上、論文として発表予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

外部から供給されるS1Pが結膜線維芽細胞における線維化反応に与える影響についての検討を行い、臨床データとも併せて論文として発表することができた。

Strategy for Future Research Activity

外部から供給されるS1Pが濾過手術後に長期的な影響を及ぼすことは考えづらく、術後の中長期的な線維化にS1Pが関わっているかどうかについての検討を行う方針である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Interaction Between Pilocarpine and Ripasudil on Intraocular Pressure, Pupil Diameter, and the Aqueous-Outflow Pathway2018

    • Author(s)
      Yamagishi-Kimura Reiko、Honjo Megumi、Komizo Takashi、Ono Takashi、Yagi Akiko、Lee Jinhee、Miyata Kazunori、Fujimoto Tomokazu、Inoue Toshihiro、Tanihara Hidenobu、Nishida Junko、Uchida Takatoshi、Araki Yuka、Aihara Makoto
    • Journal Title

      Investigative Opthalmology & Visual Science

      Volume: 59 Pages: 1844~1844

    • DOI

      10.1167/iovs.18-23900

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 白内障手術および濾過手術周術期における抗菌薬・ステロイド点眼薬使用の多施設検討2018

    • Author(s)
      荒木裕加、本庄恵、石田恭子、富所敦男、原岳、相原一、平成緑内障倶楽部研究グループ
    • Journal Title

      臨床眼科

      Volume: 72 Pages: 809~815

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2019-12-27  

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