2018 Fiscal Year Annual Research Report
草原性蝶類における遺伝的多様性の減少メカニズム:標本DNAを用いた複数種比較解析
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17J00965
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中濱 直之 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 昆虫 / 絶滅危惧種 / 半自然草原 / 標本DNA / マイクロサテライト / MIG-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は引き続き日本各地の大学や博物館で昆虫標本サンプルの収集を実施した。訪問した研究機関は、三重県立総合博物館、神奈川県立生命の星地球博物館、東京農業大学であり、いずれも標本サンプルの提供を受けた。しかしながら、マイクロサテライト解析には1種1地点あたりおよそ20個体のサンプルが必要であり、特に普通種の標本においては十分なサンプル数を確保することができなかった。今後もマイクロサテライト解析による本研究の遂行に十分なサンプル数の収集の目途が立たなかったことから、より少数のサンプルでも可能なMIG-seq法の実施を検討した。本手法はゲノムを縮約して大量の(数百~数千座)一塩基多型(SNP)を解析する、2015年に開発された手法である。本手法は植物標本において30年ほど前のサンプルでは解析可能であることが示されていたものの、昆虫標本に対してどの程度有効であるかといった知見はこれまで不明であった。そこで、MIG-seq法における昆虫標本サンプルの有用性を評価した。 コマルハナバチ(膜翅目)、ナガサキアゲハ(鱗翅目)、ギンヤンマ(蜻蛉目)、ヨコヅナサシガメ (半翅目)の4種 (1980年代から2010年代までに採集された標本サンプル) についてMIG-seq法による解析を実施した。その結果、コマルハナバチとナガサキアゲハ、ギンヤンマについては1980年代以前は多くの標本で十分な数の一塩基多型を得ることができなかったものの、1990年代以降の標本からは十分な数の一塩基多型を得ることができた。一方で、ヨコヅナサシガメについて、解析が成功した標本は2010年代のごく一部に限られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(17 results)