2017 Fiscal Year Annual Research Report
A novel anaerobic post-treatment of industrial wastewater and desulfurization technology
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17J00995
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 江 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 硫酸塩含有有機廃水 / UASB / 前処理 / 後続処理 / 廃棄物の無害化 / 資源循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
極めて複雑な組成の有機性化学産業廃水を処理する場合,放流水安全性・資源循環性の向上及び処理コスト低減が望ましい。Up-flow Anaerobic Sludge Blanket, UASB技術は高負荷条件で排水中の有機物をメタンとCO2にまで分解できるため、従来処理されにくかった有機合成化学工場廃水はUASB処理応用するため、前/後処理施設を導入及び新規プロセスを開発することを目的として本課題に取組んだ。 硫酸塩含有メタノール系廃水のUASB処理に及ぼす温度変化の影響:運転温度を変化させた硫酸塩含有メタノール廃水のUASB 処理に関する連続実験を295日間行った結果として、運転温度が40℃を超えると硫酸塩還元は不活化され、メタン生成に影響が見られず、95%以上の高有機物除去率が得られた。 高濃度硫酸塩含有廃水の嫌気性後処理プロセスの構築:液相硫黄回収と脱窒プロセス+気相硫化水素除去プロセスの2 つの要素技術を組み合わせた新規硫黄脱窒システムを研究対象とし、硫黄脱窒菌による硫黄単体生成と脱窒機構の解明を行った。本研究で、脱窒+脱硫の後処理プロセスを構築し、良い脱窒と脱硫性能を得られた。また、ハイスループットシーケンシング技術を用いてリアクター内部に機能性細菌の存在が明らかにした。本プロセスを用いて、従来微生物処理に適用できず硫酸塩含有廃水の処理液の無害化、資源化にすることを可能とした。 酸化槽を用いた澱粉廃水のUASB前処理プロセスの構築:澱粉廃水は、グラニュール汚泥の酸敗、解体或は浮上に繋がる原因であり、UASB 処理に適用できなかったと考えている。本研究では新規CSTR型嫌気性酸生成槽+UASBプロセスの構築によって、良いメタン生成及び有機物除去性能を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究において「新規資源循環型産業廃水の嫌気性後処理及びその脱硫技術」を目指し、1,硫黄脱窒菌の馴致によって,硫黄脱窒菌の増殖動力学モデルの構築;2,微生物培養条件の適切化;3,液相硫黄回収と脱窒の達成;4,気相硫化水素除去の達成を目的とする。本研究を実施された一年前に、先行研究を行った。今まで、(1) 基質特性に関する硫酸塩還元細菌の増殖動力学モデルを構築する;(2) 次世代シーケンシング関連情報処理技術を用いて微生物の群集変遷を把握する;(3) 新規二相槽式工業廃水後処理施設に制御条件の適切化などの項目は既に完了し、当初予期により早く本プロジェクトの主要部分が完了できた。 その上、「UASB前処理プロセスの構築」をはじめ、一連の補足研究を行い、もっと広い廃水処理に対し比較的に理想的な嫌気性処理結果を得られた。研究発表の欄にまとめたように、多くの雑誌論文と学会発表を完成した。このように研究は当初予定の範囲を拡大し、全体として「期待以上の研究の進展があった」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
実効性ある研究が取組できるために、H29年度に事前計画を繰り上げて完了された研究内容を踏まれ、研究計画を一層深めつつ、若干の変更・補足の必要がある。 H30年度では、昨年度にわたる研究成果を体系的に纏め、英文誌に投稿する。一方、今後の研究の推進方策として、嫌気性処理施設に分解し難い有機物の前処理技術(酸生成槽)を注目し、酸性化された基質がUASBにおけるグラニュール汚泥の表面に細胞外高分子物質(EPS)の生成に及ぼす影響を判明する。従来は嫌気性処理に適用できず大分子有機物(複素環式汚染物質など)に対して、微曝気式酸生成槽の導入は後続のUASB処理性能に与える影響を取り組む。
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