2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the impact of microbiome on tumorigenesis and antitumor immunity.
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17J01289
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安間ー水戸部 恵子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 腸内フローラ / 腫瘍 / 発がん / 抗腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は研究を中断していたため、当該年度の予算にて下記の研究内容を2018年度に実施した。
T細胞の活性化を抑制する免疫抑制性受容体を標的とする免疫チェックポイント阻害剤は様々な腫瘍で著しい治療効果を認めている。一方で、免疫チェックポイント阻害療法は治療効果に個人差があり、本研究ではこの治療効果における個人差に腸内細菌による免疫誘導が関わっているのか、および、腫瘍形成に対して、腸内細菌が関わっているのかを検証する。 2017年度および2018年度は、腫瘍のマウスモデルの作成を行った。マウスモデルとして大腸上皮特異的APCノックアウトマウス(CPC―APCマウス)を選択し、研究室内での繁殖を可能にするよう、各系統のマウスの作成を行った。CPC―APCマウスは大腸癌の自然発生モデルとして知られているが、このマウスに抗菌薬を投与して腸内細菌叢を改変し、腫瘍発生の頻度の変化を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017 年度はマウスモデルへの菌定着のための条件検討を行い、その後研究を一旦中断していた。実験再開のための情報収集および実験の再考をおこなったため、2017年度予算を繰り越していた。2018年度より研究を再開した。2018年度はマウスモデルへの菌定着と、菌の定着の定量に関しての条件や方法を確立した。さらにマウスの腫瘍モデルとして、大腸ガンの発生モデルであるCPC-APCマウスの譲渡を受け、CPC系統、APC系統マウスの作成と繁殖を行なった。さらに、これまでに得られたマウスを用いて、抗菌薬投与による菌叢改変を行い、腸内細菌が腫瘍の発生に関わるかを検証した。 さらに、炎症が発がんを促進することは知られているが、主に炎症を惹起する菌の定着阻害に関しても解析を行っており、炎症を惹起する菌の定着阻害に関わる菌を同定・単離している。 さらに、研究を再開した2018年度には抗腫瘍免疫に関わる腸内細菌叢の研究に関して成果をあげ、論文として報告している(Nature. 2019 Jan;565(7741):600-605.)。
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Strategy for Future Research Activity |
抗菌薬投与を行なって腸内細菌叢を改変し、腫瘍の発生の頻度を比較する実験において、抗菌薬投与により腫瘍発生の頻度の変化に関する予備的な結果を得ており、今後はマウスの匹数を増やし、また抗菌薬の種類も増やすなどして、さらなる情報を得る方法を検討している。 さらに、CPC―APCマウスでも腫瘍の発生が見られるが、より良いマウスモデルについても今後引き続き検討する方針である。
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Research Products
(2 results)