2018 Fiscal Year Annual Research Report
高周波単電子制御を用いた量子輸送ダイナミクスの研究
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17J01293
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
則元 将太 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 単電子伝導 / 非平衡現象 / 量子系 / 電子干渉 / ファノ効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度投稿した人工分子系における伝導電子の干渉の論文は、PRBに出版された。本論文はファノ効果と呼ばれる共鳴準位と連続準位が並列に存在する系に対する透過波の干渉現象の普遍性を報告するものである。また本論文は、制御性が高く伝導電子の干渉が伝導を支配するメゾスコピック系でなくては達成されたなかったものである。 一方で、量子系における非平衡現象を探索する道具として単電子源の研究を引き続き行った。前年度に開発したデバイス作製法には、レジストと基板の間に腐食液が侵入するため二次元電子系が侵されてしまい、低温において伝導がなくなるという欠点があることが判明した。そのため、腐食液に高い耐性を持つフォトレジストを用いたサブマイクロオーダーの構造を作製する技術と素早くデバイス作製を完了させる手法を確立した。作製した1um×20umの細線上に金属細線を蒸着することで、単電子源デバイスを作製した。作製したデバイスを申請者を含めた共同研究者とともに作製した測定系を用いて、デバイスに送った高周波(100-400MHz程度)に応答して高周波の一周期に決まった数(1-3)の電子を放出するデバイスを作製することに成功した。作製したデバイスの構造は分光測定や実時間測定が可能な構造となっており、単電子源の放出電子や時間分布などの今後必要となってくる放出電子の特性を測定することが可能となっている。今後これらの測定を行い、量子系の非平衡現象を探索する手法の確立を目指す。 上記の単電子源は今まで報告されてこなかった方法で作製された。現在、今回開発した手法とその実用性についての論文を投稿準備中である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)