2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of breakthrough mechanism of skin barrier by S. aureus in skin infection disease
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17J01839
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
今西 市朗 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ブドウ球菌 / 感染症 / SSTI / 表皮剥脱毒素 / 皮膚科学 / 獣医学 / 膿皮症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は遺伝子改変マウスの作成や遺伝子改変ブドウ球菌の入手に日数を要した。そこで今後解析に用いるツールの作成に注力することにした。表皮剥脱毒素(ETA)を6xHisとHAで標識した組換えタンパク質を作成するために、組み換えプラスミドを大腸菌M15株に導入した。また、スフィンゴ脂質合成酵素遺伝子を欠損したコンディショナルノックアウトマウス(Sptlc2 CKO)を作出し、蛍光免疫染色により本マウスの表皮基底細胞ではSptlc2の発現が低下していることを確認した。 膿痂疹モデルマウス(Imanishi I et al. Vet Dermatol 2016)では、顆粒層に付着した黄色ブドウ球菌は表皮内浸潤した好中球を利用して皮内へ侵入することが知られている。そこで本年度は、菌体による好中球を誘導する分子機序を解析も併せて行った。好中球誘導に関わる菌体因子を明らかにするために、共同研究者である黒川健児准教授(長崎国際大学薬学部)から譲渡された菌の表面分子の欠損株を、一部角質層が除去された表皮へ塗布した。表皮内への好中球浸潤を確認できた切片数を野生株(RN4220)と比較した結果、Protein A欠損株(M0107)間と野生株で差は認められなかった(RN4220:53.3±9.3%, M0107:56.5±13.1%)。一方で、細胞壁タイコ酸欠損株(T174)やProtein Aと細胞壁タイコ酸に修飾している糖鎖の欠損株(T807)では、好中球浸潤を確認できた切片数が野生株よりも減少した(T174:19.7±9.6%, p≦0.05, T807:17.0±13.1%, p≦0.05)。これらのことから、黄色ブドウ球菌が顆粒層に付着した際、細胞壁タイコ酸内の糖鎖が表皮内へ好中球を誘導している可能性を示唆することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子改変マウスや遺伝子改変ブドウ球菌の入手に日数を要したため、いずれの研究でも十分な結果を得ることはできなかった。 しかしながら次年度の解析に必要な材料や手技を概ね確立することが出来たため、今後研究を加速することが出来ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はSptlc2 CKOマウスのセラミド発現量低下を薄層クロマトグラフィー法を用いて検証する。セラミド発現量の低下を確認できた後に、角層上にETA産生黄色ブドウ球菌やETA遺伝子欠損黄色ブドウ球菌、組換え表皮剥脱毒素(ETA)を塗布することで、セラミド減少時にETが角化層の細胞間接着を破壊するか解析を進める。 また前年度に黄色ブドウ球菌が顆粒層に付着した際、細胞壁タイコ酸内の糖鎖が表皮内へ好中球を誘導している可能性を示した。しかしながら他の菌体成分が、表皮内への好中球誘導を引き起こしている可能性は否定できていない。そこで譲渡された別の遺伝子改変ブドウ球菌株をマウス皮表に塗布し、好中球の表皮内浸潤の程度を解析することで、好中球誘導をひきおこす菌体因子の候補物質を選定する。それらの候補物質を黄色ブドウ球菌からそれぞれ精製し、培養角化細胞やマウス皮膚に塗布し表皮内への好中球誘導能を解析する。表皮内への好中球誘導に関わる菌体因子を同定し、さらには菌体因子と結合する細胞受容体とそれを発現している表皮の細胞を特定する予定である。
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Research Products
(3 results)