2017 Fiscal Year Annual Research Report
Discovering inter-omics regulatory factors from multi-omics data based on structured covariance model
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17J01882
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
河口 理紗 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 協力研究員(学振特別研究員)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | マルチオミクス / ハイスループット構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマルチオミクスデータの統合解析の足がかりとして、DNAシーケンサーを利用したRNA二次構造解析に対して、再現性やバッチエフェクトの問題を解決し統合的に解析するためのアルゴリズムの開発と、また時系列トランスクリプトーム・プロテオームデータの実データの解析を行った。 RNAの二次構造をゲノムワイドに決定するための技術のうち、ハイスループット構造解析と呼ばれる網羅性の高い実験手法があるが、膨大なデータが多様な条件下において生み出されており異なるプラットフォーム上で解析をせざるを得なかった。そのような強い不均一性を持つハイスループット構造解析データに対して、正解構造と再現性を基準に二次構造を決定するためのアルゴリズムreactIDRの開発を行った。reactIDRにおいては、教師付き学習によるパラメータ最適化によって、不均一な実験データからも再現性の高い結論のみを抽出することを可能にし、現在論文投稿中である。 次に、時系列トランスクリプトーム・プロテオームデータを統合的に解析するためのプラットフォーム開発を行った。共同研究者らによって得られたCAGE-Seq, RNA-Seq, プロテオーム, およびメタボロームの情報から、異なるオミクス層間で遺伝子の発現変動の比較を行ったところ大幅な再現性の低下が見られたが、一方で、パスウェイやオントロジーレベルでの解析を行うと、複数のオミクス層において共通で見られるものが存在することがわかった。さらにCAGE-Seqに対してMARA解析を適用することで、転写因子のアクティビティの変動と、転写因子を介したパスウェイ全体の発現変動を検出することに成功した。これらの結果から複数のオミクス層における発現データから直接エンリッチメント解析を行うための新規アルゴリズムの開発を行い、次年度以降その有効性を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
同一のオミクス層におけるハイスループット構造解析のバッチエフェクト問題を解決するreactIDRの開発においては、精度評価及び三次元データとの比較を行い、論文化の前段階まで進めることができた。 一方、多階層のオミクスデータの実データ解析においては、用いるデータによって解像度が大きく異なるため、適用予定であった精緻な共分散モデルをそのまま適用することが難しい場合があることがわかった。また、共同研究により得られた様々なデータに対して適用していく中で、オミクス解析においてはより柔軟なモデルが求められていることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実データ解析の結果に基づいて、発現データの部分だけでなく、遺伝子や代謝のネットワークのパスウェイ上など、複数のステップでのデータ統合アルゴリズムの開発を進めていく。具体的には発現量の正規化の段階でデータの統合を行う階層共分散モデルに加えて、遺伝子の発現変動をもとにした変化の大きいパスウェイなどを抽出するエンリッチメント解析や、画像データによる入力、表現系にあたるフェノタイプ・ジェノタイプの予測など、各ステップでのデータ統合を行うモデルの開発を同時に進めていく。これにより、各ステップで生み出されるノイズやバイアスの推定なども可能になるのではないかと考えられる。また、各ステップにおけるデータの粒度に応じて、フィルタリングや次元圧縮を行うための手法を適切に選択するパイプラインの構築も行う。
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